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2016年のアメリカ大統領選挙の時のトランプの献金者を調べてみると、ロバート・マーサーという人物は1500万ドル（約16億円）を越える額を寄付しており、他の大口献金者はマーサーには遠く及んでいないことがわかります。
つまり、ロバート・マーサーという人物は、今でもトランプ政権と近い関係にあり、政策的にマーサーの意向を無視することができない状況である可能性があります。
ロバート・マーサー
おそらくマーサーの影響力は大きく、イランや北朝鮮、ベネズエラなどへの軍事介入も辞さない強硬なジョン・ボルトン安全保障担当補佐官にも権限を与えているかもしれません。
ところで、2016年の大統領選挙でトランプの勝利に貢献した企業の一つに、「ケンブリッジ・アナリティカ」があります。
簡単に言うと、この企業はデータ分析を行う選挙コンサルティング企業ですが、マイクロ・ターゲティングという手法を用いてネットユーザーひとり一人の特性をプロファイリングし、それぞれの政治信条や好みに合致した政治宣伝がSNSに表示される仕組みを構築したとされています。
このようにして個人の投票行動に影響を与え、特定の候補者を勝利させるシステムがあるわけですが、2016年の大統領選挙では、2億人にも及ぶ有権者をプロファイリングし、5000以上のカテゴリーに分類したといいます。
泡沫候補にしか過ぎなかったトランプが、アッと言う間に大統領になれたのはこのケンブリッジ・アナリティカによるマイクロ・ターゲティングに負うところが大きく、もしトランプ陣営がこの企業と契約していなかったら、大統領選挙に勝利することは考えられないと見られています。
しかし、翌年2017年にこの企業はFacebookからユーザーの個人情報を大量に盗んだということで告発され、財政的に逼迫し、すでに経営破綻しているようです。つまり、この企業に500万ドルを投資し、トランプの大統領選挙キャンペーンを依頼したのがロバート・マーサーであったということです。
さらに、マーサーという人物がこの企業の副社長に就任させたのが、トランプ政権の選挙キャンペーン・マネージャーであり、トランプ政権の元主席戦略官であったスティーブ・バノンであるということです。
今現在、バノンは、ヨーロッパの極右運動のネットワークを構築しており、同じく2016年に実施されたイギリスのEU離脱のための国民投票では、大方の予想を裏切り離脱が決まりました。この国民投票でもEU離脱派に貢献したのが、このケンブリッジ・アナリティカによるマイクロ・ターゲティングという手法であったわけです。
バノンは、イギリスでも選挙で勝利したこの手法をトランプの選挙戦に持ち込み、トランプの勝利を実現しました。マーサーとバノン、そして「ケンブリッジ・アナリティカ」の存在なくてはトランプの勝利は不可能であったということになります。
要するに、このマーサーという人物こそ、ネオコンの強硬派でトランプ政権を戦争へと誘導しているジョン・ボルトン安全保障担当補佐官の支援者であり、自身こそイスラエルのニ重国籍を有すると思われるユダヤ人であるということです。
実際に、ケンブリッジ・アナリティカの活動を通して調べてみると、マーサーはイスラエルの情報機関モサドと何らかの関係があるようで、業務提携している系列会社が民間情報機関であることもわかっています。
タイムス・オブ・イスラエルの記事によると、多くのモサドの元職員やその他の諜報機関の元職員も数多く勤務しているようで、選挙のキャンペーンをはじめ、政治経済分野の工作を業務としているのは明らかです。
結局、このように考えていくと、もしトランプがバノンやモサド系の民間情報会社のお陰でアメリカ大統領になれたのだとすれば、トランプ政権そのものが「イスラエルのフロント」である可能性もあるということになります。
少なくとも、前々から噂されていた通り、トランプ大統領はイスラエルと実質的に一蓮托生の関係にあり、トランプ政権の外交政策にはイスラエルの利害が強く反映していることに間違いありません。
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