NGO「We have no time(我々には時間がない)」(ホームページ)
グレタ・トゥンベリが注目された過程を調べてみると、背後で支援している組織があることが分かりました。それこそが、環境系NGOの「We have no time(我々には時間がない)」です。
グレタ・トゥンベリがスウェーデン国会前で抗議行動を始めた直後、「We have no time」の代表イングマール・レンツオッグがグレタの存在を広める一連のツイートを発信しています。このツイートが広く拡散し、スウェーデン国会議員などの著名人もグレタに会うようになったようです。
彼女が抗議運動を始めた昨年8月は、スウェーデンの国政選挙の時期にあたり、国会議員の面会が相次いだのはこれが背景だと見られています。
「We have no time」の代表イングマール・レンツオッグは、スウェーデンの通信分野コンサルタント企業「ライカ社」の創業者でもあり、金融産業を中心にコンサルタントサービスを提供しています。
「We have no time 」が設立されたのは昨年4月で二酸化炭素排出権取引も含め、ビジネスのプラットフォームが完成したのが今年4月です。グレタがスウェーデン国会前で抗議活動を始めるたった4カ月前のことです。
また「We have no time」は、地球温暖化を懸念するボランティアが集まったNGOというだけの組織ではなく、しっかりとしたビジネスの基盤を持つ企業でもあります。環境問題関連のコンサルティングやデジタル広告作成、二酸化炭素の排出権取引のビジネスに参加しています。
個人でも企業でも「We have no time 」のプラットフォームから、二酸化炭素の排出権の売買に参加できるわけです。「 We have no time」は、環境問題に関係した世界最大規模のSNSを開設することを目標としており、1億人のユーザーの獲得を目指しているようです。
いずれにしても、「We have no time 」がビジネス基盤のしっかりした環境ベンチャーであり、スウェーデン以外では知名度のないNGOがツイートしたところで、グレタ・トゥンベリという若干16歳の少女の活動が国際的な関心を引くことはできないはずです。
おそらく、グレタの活動を広く拡散するためには、もっと大きな組織の関与があるものと考えられます。グレタの後ろにはLuisa-Marie Neubauerという23歳のドイツ人女性の活動家が横にいるようです。
当然、このルイーザは「ONE Foundation」という、イギリスの人気バンドU2のボーカルBONOやマイクロソフト社の創業者ビル・ゲイツが運営する機関のメンバーでもあります。
また「We have no time 」は、ビル・クリントン政権の副大統領で気候変動を警告する運動の世界的なリーダーであるアル・ゴアが設立した組織、「Climate Reality Project」のパートナーであるようです。
なぜ「We have no time 」のツイートがきっかけとなって、グレタ・トゥンベリという16歳の少女が世界的に有名になったのか、その理由が分かってきます。つまり、アル・ゴアをはじめ、気候変動対策を要求して活動している世界的なリーダーや著名人が、一斉にリツィートしたということです。
これが世界的にツイートが拡散した理由なのですが、リツイートの履歴は未だに残っていることから、ツイッターを確認することができます。
要するに、グレタが行っていた一人での抗議運動を「We have no time 」が偶然に見つけてツイートしたというよりも、スウェーデンの選挙の約1カ月前に政治家がタイミングを選んでアル・ゴアと組んだ「We have no time 」がグレタをリクルートしたということです。
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