日露、平和条約交渉開始…22日に首脳会談
河野外務大臣は、ロシアのラブロフ外務大臣とモスクワで会談し、安倍首相とプーチン大統領による首脳会談を22日にモスクワで行うことで合意しています。ところが、日露首脳会談を前に「北方領土問題」の解決に向けた交渉が始まっているというわけです。
日本のマスメディアではまだ報道されていませんが、北方領土の返還は歯舞島(はぼまい)と色丹島(しこたん)の2島だけということになりそうです。国後島(くなしり)と択捉島(えとろふ)はもう返還されない可能性が高いということです。
なぜなら、安倍政権が2島を放棄するからです。今回の日ロ首脳会談で安倍首相がロシア領だと認めることで、すでに水面下での交渉では決まっているということです。
この60年以上、これまでの政権はロシアに対して「4島一括返還」を強く主張してきましたが、このことでこれまで自民党を支持してきた漁連や水産産業関連団体、そして自民党を応援してきた党員たちも政権批判を始めることになるものと考えられます。
昨年11月まで、安倍政権では北方領土問題が解決し、ロシアとの平和条約を締結することで国民の圧倒的支持を受けて、7月の衆参同時選挙の勝利に繋げたいと考えていたわけです。ところが、安倍首相はプーチン大統領に完全に足元を見られています。
日露、平和条約交渉開始…22日に首脳会談
2島だけの返還が決まっていることについては、テレビや新聞などのマスメディアではまだ報道されていませんが、安倍政権は、「残りの2島についても協議が続く」という嘘をを日本国民に語りながらも、最終的には2島だけ返還になることを公表するしかないわけです。
まずは、日露平和条約とサハリンから原油と天然ガスの輸入を始めるという決断で動いているのは明らかです。一方のプーチンの最大の狙いは、日本に天然ガスを買わせ、シベリア開発の資金を手に入れることです。
すでに、サハリンから北海道まで海底パイプラインを敷設する準備が整っています。サハリンからの原油と天然ガスの日本全国への運び込みルートは、田中角栄政権の頃にすでに九州にまで完成しています。
最大の問題は、安倍首相の支持者たちが果たして2島だけの返還で我慢できるかどうかです。また、公明党は安倍政権が提案している憲法9条の改正に反対し続けています。さらに、日本国民というのは、国境問題に関心が薄いとされています。
私自身、竹島(韓国名:独島)や尖閣列島(中国名:釣魚台)についても、周辺海域の共同開発・共同利用で解決するべきであると考えています。だからこそ、北方領土についても海面の共同開発・共同利用にするべきです。
私は、北方領土に住んでいた旧島民のインタビューをテレビで見るたびに、旧満州や南方戦線から生きのびることができた旧日本軍兵士たちには何も与えられないことを不思議に思ってきました。
しかし、結果的に安倍政権にもはや打つ手はなく、もがけばもがくほど北方領土は遠のくだけで、これ以上、安倍首相が参院選前の得点稼ぎに焦れば、プーチン大統領にふんだくられる結果となるのは明らかです。
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