The World Ahead 2023
Future-gazing analysis, predictions and speculation (将来を見据えた分析・予測・推測)
(出典:2022年11月14日 The Economics)
前回の続きです。「The World Ahead 2023」でスタンテージ氏が注目しているテーマは10項目ありますが、今回は残りの6~10を翻訳しました。世界経済フォーラムや日本の官公庁のように、エコノミスト誌はいわゆる「お役所言葉」を多用しています。
「永田町文学」「霞が関文学」という言葉があるように、国会議員や官僚たちがわざとあいまいな文言を連ねた書面を作成することで各方面の顔を立てる、あるいは責任逃れをすることです。だから、読んでいても何の面白味もありません。
6. Flashpoints to watch.(注目すべき紛争地)
Where might conflict flare up in 2023? (2023 年に紛争が激化する可能性があるのはどこの国・地域か?)
(出典:2022年11月14日 The Economics)
ウクライナ戦争に世界が注目する中、ディープステートが中央アジアや南ヨーロッパなどで紛争の種をばらまいています。中国は国内で暴動が起きていますが、台湾では統一地方選挙で大敗した民進党の蔡英文総統が党トップを辞任しました。
異例の三期目に入った習近平政権が、台湾に侵攻することは十分考えられます。また、ヒマラヤ山脈にあるインドと中国の国境付近で再び緊張が高まる可能性があります。さらに、トルコはギリシア系住民とトルコ系住民で紛争が続くキプロス島周辺で軍事衝突が起きるかもしれません。
7. Shifting alliances.(同盟関係の変化)
How the war in Ukraine is reshaping America’s global alliances (ウクライナ戦争でアメリカの同盟国をどのように増やしていくか?)
(出典:2022年11月14日 The Economics)
2023年は、G7とG20、つまりアメリカの同盟国と非同盟国の間で、地政学的な変化が起きる可能性があります。ウクライナ戦争で世界中の注目を浴びたNATOは、トルコが仲介してフィンランドとスウェーデンが加盟申請を受け入れています。
8. Revenge tourism.(旅行業界の復活)
Take that, covid! “Revenge” tourism takes off (旅行業界はコロナからの復興を始める)
(出典:2022年11月14日 The Economics)
2021年まで世界各国はロックダウンを実施したため、2022年前半までは国内外旅行が低迷しました。ところが、2023年の旅行業界は2019年の1.4 兆ドルの水準にほぼ戻る可能性が高い。ただし、企業はレイオフを実施して人材コストを削減しているため、出張は引き続き低迷します。
9. Metaverse reality check.(仮想現実がより現実的に)
A reality check for the metaverse is coming (メタバースが本格的に始動する)
(出典:2022年11月14日 The Economics)
仮想現実(VR)や仮想拡張(AR)で仕事をしたり、遊んだりするアイデアが普及することを前提に、アップル社がAR/VRヘッドセットを発売し、それに呼応するかのように株価の低迷に落ち込むフェイスブック(メタ社)も戦略を変更することになります。
10. New year, new jargon.(2023年に流行する新しい専門用語)
23 items of vital vocabulary you’ll need to know in 2023 (2023 年に知っておくべき重要な語彙 23 項目)
(出典:2022年11月14日 The Economics)
最後に、「パスキー」は2023年に流行する専門用語であり、アップル社の年次開発者向けイベントで発表したパスワード不要の次世代のサインイン方法です。そして、同時に暗号通貨(仮想通貨)は時代遅れとなり、次は量子暗号の時代が到来することになります。
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