ビッグマック指数が映す割安の日本 ウクライナ侵攻でインフレ加速…最悪シナリオは?
(出典:2022年6月7日 朝日新聞GLOBE+)
10年前は、アメリカで起きたことが3年後に日本へ起きていました。しかし、5年前から1年後になり、現在は3ヵ月ほどのタイムラグしかなくなったように思います。
22年前に長く住んだアメリカを離れ、日本にやってきた私ですが、その時は自分自身がまるでタイムマシーンに乗ってきたかのように感じていました。しかし、そのような時間のアドバンテージがなくなり、世界中で同時多発的に問題が起きています。
欧米諸国では、電気代やガソリン代が昨年から2倍以上に高騰していますが、おそらく日本でもエネルギーのインフラ・コストが急激に上がる可能性があります。また、すでに食糧危機が起き始めています。
台風や豪雨による洪水の被害はまだ少ないですが、一部の農地では水田に水が引けなくなっており、肥料や農薬の高騰で特にタマネギの値段が2倍になりました。昨年、北海道が干ばつで収量が減った影響が出ているわけです。
農家が悲鳴「生活できるのか不安になる」肥料の大幅な値上げで野菜価格も…その原因は? 北海道
(出典:2022年6月10日 Yahooニュース)
農林水産省の調査結果でも、野菜の価格は全国的に平年より高く推移しています。札幌郊外の岩見沢や長沼町の農家(野菜)栗山町などの農家たちは、原材料の高騰で農業そのものが成立しなくなることを不安に感じています。
だから、道内で手に入る牛や豚、ニワトリの糞を利用した堆肥を使うなど、化学肥料を減らすよう対策が進んでいくのは間違いありません。小売価格は上がっていますが、生産者の収入に反映されていないことが問題であるということです。
農家の高齢化も進み、60代以上が中心になって野菜を栽培しているのが現状です。農業従事者の数も年々減っており、1年ごとに生産量が減っていくのは間違いありません。実際に、米農家は自民党による減反政策で稲作が以前より減っています。
国内の食品ロス 2020年度は過去最少にコロナ影響も要因か
(出典:2022年6月9日 NHK NEWS WEB)
米価格は下がっていますが、新米が販売される9月以降に在庫が少ないことが報道され、大騒ぎになって買いだめが始まるかもしれません。実は、日本で栽培された穀物の約半分が外食産業に使われています。
飲食店では、残った食材は廃棄されることになるため、毎日とんでもない量の米や肉、野菜が捨てられています。今後、ホテルなどで提供されているビュッフェ形式のレストランは提供方法を変更せざるを得なくなると思います。
牛や豚、鶏などの家畜の餌は主に穀物であり、そもそも穀物の価格が上がると肉類の価格も上がるのは当然のことです。そもそも、養豚や養鶏業者は利益があるから続けているわけで、売り上げが上がらなくなれば誰も手を出さなくなってしまいます。
若い人が近寄らない業種には、必ずベトナムやカンボジアなどから外国人労働者が派遣されてきます。大型スーパーなどでは、すでに多くのアジア人が調理室で肉をさばく仕事についているのが現状です。
日本人がやらないから、仕方なく外国人が請け負っているわけですが、日本人だからといって別に特殊な能力があるわけではありません。親がやっている養豚・養鶏場を引き継がないのであれば、日本の畜産業は確実に衰退していきます。
富裕層の「財産没収」を本気モードで推し進める日本政府
(出典:2020年1月19日 幻冬舎GOLD ONLINE)
最後に、6月までに最低2年分の食料備蓄を完了しておくことをお伝えしておきます。2024年には「新円切り替え」が予定されており、その前に食料品の価格が高騰するのは誰の目にも明らかです。
3年後の2025年には「世界大恐慌」が始まりますが、1930年代と同様に第二次世界大戦が終わる1945年+5年=20年は飢餓で苦しむ可能性が出てきました。それまでに世界経済が立て直される必要がありますが、今のところはあまり期待できません。
玄米などの穀物も、3年もすれば劣化が始まるのでそう長くは保管することはできません。できるだけ、「ローリング・ストック」で効果的に備蓄の入れ替えをするしかありません。農家に知り合いがいるのであれば、今から仲良くなって事情を説明することです。
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