世界各地で株価急落、金融危機以来 ニューヨークは一時取引停止
(出典:2020年3月10日 BBC)
2008年のリーマンショック(世界金融危機)のきっかけとなった「サブプライム・ローン事件」でしたが、欧米の銀行や証券会社が「ジャンク債」と「優良債」を混ぜて販売していたわけです。
今回、アメリカのシェールガス/オイル債権というものが、新型コロナウイルスの影響から原油価格が60ドル台から30ドル台に大暴落したことで、債券も暴落しています。そのきっかけは、原油産出国のサウジアラビアとロシアの争いです。
新型コロナウイルスによって、世界的に消費が激減しているにも関わらず、サウジアラビアの首切り王子が減産に同意しなかったため、原油価格が大暴落してしまいアメリカのシェールガス/オイル関連企業が倒産してしまいました。
ロシアから石油の低価格に関する見解 「6-10年耐え得る」
(出典:2020年3月10日 TRT)
このような原価安売り勝負になるとロシアはとんでもなく強いわけですが、短期的には価格低下で損をすることになりますが、ロシアのオイルの生産費は20ドル程度なので6年から10年は耐えられるということです。
一方、サウジアラビアの生産費は10ドル程度であると言われています。ロシアは、原油だけではなく大量の天然ガスを保有していますが、サウジアラビアは埋蔵量が少ないので、もはやどのように対策しても「絵に描いた餅」という話もあります。
サウジアラビア来月の原油供給量を最大に
(出典:2020年3月11日 NHK NEWS WEB)
他方、原油価格が安くなると不況に陥るのがアメリカです。それに対して、世界一高い石油と天然ガスを買わされている日本経済は円高ということも助けになり、少しは元気になるかもしれません。
アメリカ経済の連鎖反応の結果、最近はさらに情勢が混沌としてきており、11月3日のアメリカ大統領選挙を延期してしまう可能性もあります。昨年の巨大台風で大雨が降ったように、人工的に作られた経済エネルギーも解放されずに溜まっている状態です。
結局、株価も一種のエネルギーということで、どこかのタイミングで暴落させたり、あるいは暴騰させて解放しなければなりません。しかし、エネルギーを溜めると言うこと自体が「宇宙の成立原理」なので誰もそこから逃れられることはありません。
この暴風雨にパラグライダーに乗って上昇しようとしているのが、逆張り投資家です。この2か月でとことん下落した相場をブル・トレンドで、しかもレバレッジを利かせて大きく儲けようとしているわけです。
ところが、このような一気に暴落するような相場というのは、ボラティリティ(乱高下)が激しいことが予想されます。つまり、大きく上がったり下がったりするので、買い手も売り手も損をしてしまうことがあります。最終的には、投資家全員が全財産を失うようにできています。
アングル:金融市場、相場乱高下で取引高急増 取引業者は歓迎
(出典:2020年3月11日 Reuter)
これで、日本各地の銀行は次々と倒産することになるので、土地を担保に銀行からカネを借りている経営者や不動産関連企業は「貸しはがしの催促」を受けることになりそうです。株価が暴落した銀行は、何とか資金を取り戻そうとしてくるのは明らかです。
これで、あらゆる産業の設備投資や雇用はしばらくお休みになります。余ったカネで新規事業をする大企業の多くは、資金繰りに困るので大量リストラから始まってダウンサイジングを徹底的に断行するものと考えられます。
ということは、南の国に隠してあるタックスヘイブンなど貯まりに貯まった裏金は、いよいよ表に出てくるように思われます。そうして、AIや5G、ブロックチェーンなどに投資が集中し、人類が新しいフェーズに突入していくことになります。
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