BYD、自動運転関連に2兆円超投入 株主総会で発言
 (出典:2024年6月11日 日本経済新聞)
EV(電気自動車)で、アメリカのテスラと激しいシェア争いを繰り広げている中国のBYDは、日本市場に展開して販売拠点も着実に増やしています。
EVの本体価格は高額で、補助金が出たとしてもなかなか手が出るものではありません。しかし、中国の自動車メーカーは工場内に多くの産業ロボットを導入し、価格を引き下げることに成功しています。
急激な価格引き下げは自動車だけではなく、スマートフォンの本体価格などでも起きており、携帯大手のファーウェイは2000円で購入できる機種を販売しています。都市郊外に巨大工場を建造し、大量生産が可能になったことで生産コストを大幅に削減したわけです。
実は、BYDなど中国のEVは中国国内ではなく、ハンガリーやウズベキスタン、メキシコ、ブラジルなどで製造されています。つまり、鉱物資源を豊富に持ついわゆる「グローバルサウス」で組み立てられているということです。
BYDのEVを街で見かけたことは一度もないですが、テスラに負けない最新技術が施されています。ここ数年で、中国の科学技術力は大きく飛躍し、分野によってはすでにアメリカを超えているとされています。
トヨタが「BYDの技術を採用」で呼ぶ大きな波紋 日本メーカーが中国テックに秋波を送る意味
 (出典:2024年5月27日 東洋経済ONLINE)
世界一の販売台数を更新する日本のトヨタ自動車ですが、BYDと比べても技術的に大きく遅れている部分があることを認めています。そもそも、BYDは日産などのEV車よりも約25%程度もコストが安いことで優位性を保っています。
車両価格が安いので、イメージが悪い中国製でも買いたい人は世界中の存在しており、実際にインドなどグローバルサウス諸国では市場シェアを大幅に増やしています。一方、BYD日本のホームページを見ると価格は高く、400万円以上と日産や三菱自動車のEVとほとんど変わりません。
しかし、人気女優をテレビCMで採用しており、偏見の少ない若い人たちの間で購入者が増えるかもしれません。メディアの報道では、2030年までにBYDの世界市場シェアがテスラを抜き、世界一になると予想されています。
EU、中国製EVに追加関税 来月から最大38.1%―地元メーカー「経済損失恐れ」
 (出典:2024年6月12日 時事通信)
そのような状況の中、欧州連合(EU)の欧州委員会は、全ての中国製EVの輸入に現行の10%から最大38.1%に上げて追加関税を課すと発表しました。つまり、地球温暖化説は嘘であり、EVが地球に優しいという論理が破綻したことになります。
結局、EUはドイツ製EV(BMWやメルセデスベンツ、アウディ)のバッテリーやパワートレインよりもBYDのほうが品質が優れており、しかも安価だということで強い危機感を感じたわけです。また、インターネットの接続性や運転支援技術の分野でも世界の最先端である可能性があります。
ところが、日本の主要メディアや自称・評論家たちはこれからも「中国叩き」にまい進し、正しい情報を伝えずに利益相反行為を仕掛けてきます。これからも騙され続ける人間は、高価なドイツ車を買わされていきます。
ファーウェイが2024年の5.5G商用化発表。6Gの前哨戦火ぶた、日本で排除も圧倒的な存在感
 (出典:2023年6月5日 BUSINESS INSIDER)
このことは自動車だけでなく、あらゆる産業でも言えることです。カネ儲けのことしか考えてこなかった日本や欧米諸国の政府や大企業は、最先端テクノロジーの分野で中国に世界市場を奪われてますます衰退していきます。
個人的には、5G(携帯電話)基地局の設置には健康上の問題から反対ですが、中国では約100万台の基地局が設置されており、アメリカではたった10万台と大きな差が出ています。5Gネットワーク事業で世界をリードしている中国は、グローバルサウス諸国の人たちに安価なスマートフォンを持たせ、快適なインターネット回線環境を提供するものと思われます。
日本を含む西側諸国と中国を中心としたグローバルサウス諸国との戦いは、数年後にははっきりした形で勝敗がつきますが、このまま日本政府と大企業についていけば大変な目に遭うのは間違いありません。
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