香港区議選、民主派が地滑り的勝利-中国は行政長官支持繰り返す
これで中国の最大の弱点が明らかになりました。「秦の始皇帝」の時代から始まって、「夏」、「殷」の時代で確立した「皇帝への忖度システム」、つまり現代の中国型共産主義は続かないということです。
習近平主席を筆頭に、中国共産党幹部たちへ忖度しなければ、すぐに行方不明になる世界が中国の本当の姿であるわけです。その結果、誰も香港の選挙が負けそうであることを報告しなかったようです。
警察や軍、諜報機関でさえ、共産党にとって危険なことを誰も言えないので、共産党幹部たちはある日突然、中国本土でも民衆による大規模蜂起が起こって殺されるか、追放されることになると思われます。
そのような状況の中、彼らの部下であった人々は新しいリーダーに対して忖度の準備を始めるようになり、権力争いが激化することになります。しかも、中国では生存に直接関わるので恐ろしい殺し合いになります。
欧米のマスメディアを代表する宣伝媒体であるニューズウィーク誌が報じるように、香港の抗議運動初期は欧米人が仕掛けた面もありますが、裁判なしで逮捕されて投獄するような中国の体制を世界中が忌み嫌っているように思います。
ニューズウィーク日本版『中国共産党』に関する記事一覧
今、中国共産党は欧米諸国から政治的な伝統を弱点とされ、そこを突かれているように思います。そもそも、大衆が経済的に豊かになった後、今度は政治的自由へ向かうのは当然の話であるわけです。
欧米諸国は、中国本土に近づきながら虎視眈眈と国内の分裂を狙っているのは明らかです。SNSなどを見ても、本土で暮らす中国人のほとんどは、民主主義的な自由を望んでいるのがわかります。
結局、過去、ヨーロッパの王族のほとんどは、大衆による「革命」によって倒されています。中国も例外ではなく、アジアに位置しながらこれまで何度も革命によって国のリーダーが交代してきました。
いずれにしても、ここまで多様化した現代文明を推進するには、権力の集中と分散が上手く機能していく必要があります。集中が強すぎると暴走し、分散がすぎると無秩序になるので、内部分裂へ導こうと虎視眈眈と欧米諸国が狙っています。
優秀な中国共産党のリーダーたちは、一体この状況をどのように切り抜けようとしているのでしょうか?今後の中国各地の動きに注視しながら見ていく必要がありそうです。
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