イラン最高指導者、対イスラエル攻撃を称賛-低い命中率は重要でない
(出典:2024年4月21日 Bloomberg)
4月13日、イランはイスラエルによるイラン大使館でコッズ部隊の上級司令官を含む4人が殺害されたことに対する報復として、イラン革命防衛隊はイラン国内からイスラエルへ大規模なドローン攻撃と弾道ミサイル発射(331発)を実施しました。
ところが、ドローン(185機)は全て迎撃され、ミサイル(110発)も103発がイスラエルの防空システム「アイアンドーム」に撃墜されたと報道されています。西側メディアの報道によると、イスラエル領内で7発の弾道ミサイルの着弾が確認されているとのことです。
着弾が確認されたのはイスラエル南部にある空軍基地で、人的被害が出ないように調整された攻撃でした。そもそも、イランは周辺諸国に空爆する日付と場所の情報提供をしており、遠回しにイスラエルにも伝わっていました。
イラン国内では、報復を求める国内世論が高まっており、現在のイスラム原理主義体制はイスラエルに報復せざるを得ない状態にあります。しかし、イスラエルとの全面戦争に突入するにはまだ時期尚早ということで、かなり手加減したものと考えられます。
イラン、ロシアに弾道ミサイル約400発供与 軍事協力深化へ=関係筋
(出典:2024年2月22日 Reuters)
イランは、2014年1月1日からBRICSに正式加盟し、中国やロシアとの間で経済や軍事面での協定が次々と締結しています。欧米諸国からの経済制裁はまだ続いていますが、産油国の特徴を生かして経済が成長してきました。
いわゆる「エゼキエル戦争」が引き起こされるのはまだ先のことであり、今回の報復攻撃でイスラエルはイランの軍事力に脅威を覚えたはずです。一方、イランもイスラエルの防空システムについてある程度のデータを手に入れたと思います。
イランからイスラエルの報復は終了宣言が出されましたが、イラン革命防衛隊の傘下にあるレバノンのヒズボラなどはイスラエルへの攻撃を継続させており、当分は小規模な紛争が続くものと思われます。
おそらくイスラエルとイランによる中東最終戦争は2028年頃に始まり、2029年に第三次世界大戦が始まるというスケジュールで私たちAtlasは見ています。今回、その影響は世界中の株式市場に及びました。
日経平均株価1300円安 イラン領内の爆発報道で急落
(出典:2024年4月19日 日本経済新聞)
2日後の4月15日、ニューヨーク・ダウ平均株価は6営業日連続の値下がりとなり、19日の日経平均株価も一時1300円の下落となりました。下落理由は、石油やガス、穀物などの先物価格が大幅に上昇したからです。
6月から政策金利を下げる予定のアメリカFRBは、再びインフレ率が上がる懸念から「利下げ」を見送る可能性が出てきました。利下げのタイミングが不透明な中、投資家たちは売り注文を出したことで株価が下落したわけです。
実は、世界中で再びインフレ率の上昇が始まっており、物価高騰は全く収まっていないのが現状です。今回のイスラエルとイランの紛争で、原油価格は1バレル=100ドルまで上昇する可能性が出てきました。
また、小麦粉やコーヒーなどの食料価格だけでなく、金(ゴールド)や銀(シルバー)、プラチナ、銅などの貴金属や鉱物価格も上がっており、円建て金価格は1グラム=1万3000円台に到達しています。
ドル円「160円タッチ」と円買い介入の可能性は?ますます遠のく米利下げ開始
(出典:2024年4月23日 DIAMOND online)
現在、為替相場は1ドル=154円を推移していますが、日本政府や日銀がアメリカに無償で資金を提供すれば、160円を超えるようになるかもしれません。ちなみに、岸田文雄が訪米したタイミングで9兆円(約650億ドル)が日本円から米ドルに換金され、3兆円で約1円円安になることがわかりました。
さらに、インフレ再燃からFRBが利下げどころか利上げに踏み切るようなことになれば、利上げできない日銀の状況から日米の金利差から円安はさらに加速していくものと考えられます。
春になって暖房器具や灯油などが要らなくなりましたが、冬が来るまでには薪ストーブの設置が必要であるように思います。同時に、家庭菜園レベルで野菜を栽培することで備蓄について学んでいくことも必須です。
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