What is the 'Greater Israel' movement?
 (出典:2024年10月18日 THE WEEK)
最初に断っておきますが、「普通の日本人」にはこのコラムの内容は理解できません。シリアのアサド政権崩壊は、アメリカやトルコ、イラン、そしてロシアによる計画が実行された可能性があります。
結局、シリアの新政権誕生はイスラエルにとって好都合な状況となり、「シオニスト」であるイスラエルのネタニヤフ政権による「大イスラエル計画(Greater Israel)」が実現してしまうわけです。つまり、中東の約半分がイスラエル領として支配されるということです。
大イスラエル計画とは、旧約聖書に書かれている神から与えられた地域をイスラエルの領土とする計画のことです。具体的には、エジプトのナイル川からイラクのユーフラテス川に広がる広大な領土が含まれています。
出エジプト記 第23章31節
 (出典:Word Project)
旧約聖書の創世記や出エジプト記には、イスラエルの12支族がモーゼによってエジプトから解放された後に支配した領土のことが書かれています。
「わたしは紅海からペリシテびとの海に至るまでと、荒野からユフラテ川に至るまでを、あなたの領域とし、この地に住んでいる者をあなたの手にわたすであろう。あなたは彼らをあなたの前から追い払うであろう。」
つまり、シオニストは紅海から地中海にいるペリシテ人(現在のパレスチナ人)、そしてイラクにあるユーフラテス川によって示されるイスラエルの領土の境界であると勝手に解釈しているわけです。
実際に、古代イスラエル王国はソロモン王の時代に栄華を極め、現在のイスラエルとパレスチナのほぼ全域とシリア西部の一部を支配していました。つまり、西のナイル川から東のユーフラテス川までのパレスチナ、レバノン、シリア、イラク、トルコを含んだ広大な地域が大イスラエルということです。
この古代イスラエルの領土を回復することが大イスラエル計画ですが、アシュケナージ系でユダヤ教徒でもなく、ただの虐殺集団であるネタニヤフ首相や閣僚たちには正統性がないのは明らかです。
トランプ2.0世界の行方は(6)産業構造 マスク氏率いるAI革命
 (出典:2024年11月14日 日本経済新聞)
一方、アメリカにも多数の「シオニスト」が存在しています。私たちの企業名「アトラス」の由来である、ギリシャ神話に出てくる「天空を双肩にかつぐ大力無双の巨人」アトラス像は、ニューヨークのロックフェラーセンターの正面にあるモニュメントが設置されています。
要するに、世界を支えているのは我々グローバリストであり、我々がいなくなったら世界秩序は崩壊する…」と言っているのがわかります。また、「リバタリアニズム」の作家でフィリップ・ロスチャイルドの愛人であったアイン・ランドは、「肩をすくめるアトラス(Atlas Shrugged)」という小説を出版しています。
「利己的に生きよ!」現代の米国を象徴する、最も危険なベストセラーとは 『肩をすくめるアトラス』(アイン・ランド)で読み解く
 (出典:2021年7月21日 DIAMOND online)
聖書の次に読まれている大ベストセラー小説ですが、その結末は世界が破滅した後、主人公のジョン・ゴールトが地下から出てきて、1ドル札を空に掲げながら、「これでせいせいした。さあ、われわれの仕事に取りかかることにしょう…」というセリフで物語が終わっています。
私は、30年以上前のカリフォルニア大学に通っていた時に読みましたが、ロックフェラー家やロスチャイルド家のような大富豪のアシュケナージ系ユダヤ人(ユダヤ教徒ではない)たちが、世界を支配していることを知りました。
だから、その手先として存在している自民党や財務官僚、大企業経営者などは国民の声を一切聞きません。しかも、末端の手下である大企業のサラリーマンや公務員の態度が過度に大きい理由は、事情をよく知らないからこそ選民意識が働いているとも言えます。
いずれにしても、「シオニスト=グローバリスト」であるのは間違いありませんが、ドナルド・トランプのように反グローバリズムでもシオニストの場合があります。そして、トランプはネオコンでもないので、ロシアのプーチンとも良好な関係を持っています。
The Coming War on ‘Radical Islam’
 (出典:2016年11月29日 The Atlantic)
しかし、問題は彼らが新約聖書ヨハネの黙示録に書かれている「ハルマゲドンの戦い(最終戦争)」を待望していることです。今回も、トランプ政権の閣僚に任命された人たちはプロテスタントの福音派が多く、イランを批判した発言が多いのが特徴です。
2025年1月20日から始まる第2次トランプ政権は、大イスラエル帝国の建設が目標であり、シオニストが集まるイスラエルがトランプを大統領に返り咲かせたといってもいいと思います。最後に繰り返しますが、トランプはディープステートではありませんが、シオニストです。
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