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【詳しく】トランプ大統領会見「『12日間戦争』は終わった」
 (出典:2025年6月26日 NHK NEWS WEB)
アメリカのトランプ大統領は、オランダで開催されたNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議に出席し、26日未明に記者会見しました。
ここで「12日間戦争」を振り返ってみたいと思いますが、基本的にトランプは記者会見ではなく、自身のSNSに投稿することで公式発表にしています。そして、24日には軍事衝突を続けてきたイスラエルとイランが停戦することで合意したと明らかにしました。
その後、イスラエルとイランそれぞれが戦闘を停止し、本当に25日に戦闘が終結しました。ただし、24日にイランから2回もミサイルが発射されたと主張しており、報復としてイスラエル軍がイランの首都テヘラン近郊のレーダー設備を攻撃したということはあったようです。
トランプは、急遽イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、イスラエルは攻撃計画を大幅に縮小したとのことです。今後、イスラエルが突然イランを攻撃するような停戦違反を破る可能性が高く、予断を許さない状況にあるのは間違いありません。
日本語しか読まない(読めない)日本人を相手にする場合、英語など外国語の報道記事を参考にすることはあまり意味がありません。なぜかと言えば、英語どころか日本語でさえ文脈を読んでくれないからです。
現在、まともに日本語が読める日本人が全体の半数であり、総人口1億2000万人(ワクチン接種の影響で本当は1億人しかいない)から8割を引いた2000万人ほどが読者であると考えて、コラムを書く必要があります。
米国のイラン空爆、原子炉への攻撃を意図的に回避-衛星写真が示唆
 (出典:2025年6月24日 ブルームバーグ)
先週の6月21日(日本時間)は「夏至」で、日の出から日の入りまでの時間が最も長い日でした。毎年、いつが夏至かは天文学的に決まりますが、だいたい6月21日か22日が多いと思います。その翌日にトランプ大統領はイランの核施設を攻撃しました。
具体的には、B2戦略爆撃機7機に地下破壊爆弾「バンカーバスター」14発を落下させたとのことです。「攻撃は成功した…」と報道されましたが、実際にはそこまで被害がないとする衛星写真まであり、本当のことはまだわかっていません。
トランプ大統領、夕食会で習近平氏にシリア攻撃を誇示 中国一行は早々に宿舎へ引き返す
 (出典:2017年4月8日 産経新聞)
その後、イランはカタールに駐留する米軍基地にミサイル攻撃を行いましたが、この直後にトランプはイスラエルとイランが停戦に合意したことを発表しました。トランプは、大統領になったばかりの2017年4月に中国の習近平主席と会談中、シリア(何もない原っぱ)にミサイル攻撃を行ったのと同じ演出です。
イラン、米軍への報復攻撃を事前通知…トランプ氏はSNSで感謝「おかげで死傷者出なかった」
 (出典:2025年6月24日 読売新聞)
今回も、核施設への攻撃から停戦までトランプが巧妙に仕組んだ「芝居」であるのは明らかで、ほどんど犠牲者がいないまま停戦させました。なぜかと言えば、事前に攻撃されることを知らされたイランは、核施設から濃縮ウランなどを別施設に運び出していたからです。
それでも、イランの核開発を数カ月遅らせることができたので、今年中に核戦争が起きることはほぼないと思います。また、イランも事前にカタールの米軍基地を攻撃すると伝えていたので、アメリカ側の人的被害もなかったとされています。
その結果、イスラエルとイランは面子が守られたということで攻撃が停止され、世界は再び平和が戻ったことになっています。また、アメリカの立場も守られたので、トランプ政権の支持率は維持されています。
結局、停戦の仲介をトランプに依頼したのはイスラエルのネタニヤフ首相であり、イスラエルの目標であったイランの核開発能力の喪失が達成されました。しかし、イランの体制転換や無条件降伏の目標はまだ残っています。
トランプ大統領 高濃度ウラン製造能力あればイラン再攻撃検討
 (出典:2025年6月28日 NHK NEWS WEB)
つまり、イランはこれからますます核開発を強化することになり、イスラエルは空爆だけでなく、イラン本土への地上軍派遣が必要になるということです。また、今日になってトランプはイランが濃度の高いウランを製造する能力を依然として持っていると判断した場合、さらなる攻撃を検討する考えを示しました。
このようなトランプの矛盾した言動を分析すると、行きつく展開が「エゼキエル戦争」です。トランプはイスラエルを支援しているふりをしながら、イランの防衛力強化を助けているわけです。イスラエルに敵対するのはイランだけでなく、ロシアやトルコなども参戦するかもしれません。
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