日経平均株価4451円安 下げ幅ブラックマンデー超え最大
 (出典:2024年8月5日 日本経済新聞)
昨日の8月5日、東京株式市場で日経平均株価が前日から4451円(12%)も暴落し、1987年に起きたブラックマンデー翌日に起きた10月20日の3836円安を超えて過去最大の下げ幅となりました。
アメリカはすでに景気後退(リセッション)入りしていると思われますが、海外の機関投資家やヘッジファンド、個人投資家といった市場参加者全員が売りに走り、日本株の大暴落と急激な円高が世界に大きな影響を与えています。
表向きには、7月末に日銀が利上げを決定した後、8月2日にはアメリカFRBが発表した雇用統計が悪化したことが原因で、日本株が大暴落したとされています。しかし、現在の株取引はCTAというAI(高度なアルゴリズム)にやらせており、雇用統計悪化を口実に先物市場で「売り(ショート)攻勢」を仕掛けたものと考えられます。
海外のヘッジファンドは、これまで円高になるように何度も巨額のキャリートレードを仕掛けてきましたが、何度も日銀と財務省にはね返されていました。今回、巨額の損失を被ったヘッジファンドは、一気に勝負をかけて損失を取り戻そうとしています。
ところが、実際には海外のヘッジファンドや個人投資家の多くが、低金利で日本円を借りて米ドルに換金しており、そのカネでアメリカ株を購入しているようです。そして、7月末に日銀が利上げを発表したことで急激な円高ドル安が起きました。
この数日で1ドル=160円台から140円台前半まで約20円も円高が進み、金利も上がったので海外のヘッジファンドや個人投資家はさらに損益を増やしています。あまりにも損益が大きいため、すでにロスカットされて全ての資産を投げ売りするケースも見られるようになりました。
NYダウ、一時下げ幅1000ドル超 米景気に高まる不安
 (出典:2024年8月5日 日本経済新聞)
日本時間の22時にニューヨーク株式市場が始まりましたが、売り圧力が高まっており、さらに株価が下落することが考えられます。中東では戦争が激化しており、アメリカ国内でも大統領選挙の実施が懸念されています。
日経平均株価が急反発、一時3400円超上昇 買い戻し先行
 (出典:2024年8月6日 日本経済新聞)
一方、日本では株を始めたばかりのNISA初心者が焦って「パニック売り」を仕掛けられ、今回も情報リテラシー力が低く、リスク耐性が鍛えられていないことがわかりました。しかし、ベテラン投資家も機関投資家も対応できず、かなりの損益を出したと思われます。
つまり、米ドル(米国債や米国株などのドル資産)による世界支配体制の「崩壊カウントダウン」が始まったということです。
結局、ニューヨークダウ平均株価は5月20日の4万ドル77ドルが史上最高値で、日経平均株価は7月10日の4万1831円をピークに、後は乱高下を繰り返して下落していくだけなのかもしれません。
新たな世界体制について、5月16日に北京を訪問したプーチンが習近平と中露首脳会談で話し合いましたが、米ドルに代わって再びゴールド(金)が世界の基軸通貨・本位制に落ち着くことはほぼ確実になりました。
金スポット価格、週明けアジア市場で乱高下-米国株急落で投資家動揺
 (出典:2024年8月5日 Bloomberg)
その金(ゴールド)価格ですが、7月17日の円建て価格1グラム=13879円(1ドル=160円、ドル建て価格2300ドル)をピークに、現在は1グラム=12491円(1グラム=142円、ドル建て2300ドル)で明らかに円高分の18円が1400円安となったわけです。
1ドル円高になるごとに約60円安くなるということで、単純計算では1080円となり、今回の円高スピードにドル建て金価格が追いつかなかったことがわかります。しかし、中東ではイスラエルとヒズボラの戦争が激化しており、イランも新体制が整い次第、参戦する可能性が高まっています。
金価格が1グラム=3万円を超えるのか、それとも3000円まで下がるのかはまだわかりませんが、NISA初心者のように乱高下に右往左往しないのが金(ゴールド)保有者です。「有事の金」で買った人たちは、どこまで決意を固められるのかが勝負です。
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