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欧州で起きている極右運動の思想にあるのは「新ユーラシア主義」

更新日2019年5月14日

アレクサンドル・ドゥーギン
アレクサンドル・ドゥーギン
image from COURRIER

 

今回のメインテーマは、イスラム系移民への敵対心とノートルダム大聖堂などカトリック教会の火災などから、欧州議会(EU)選挙では極右政党が大躍進する可能性が高いことについてです。

 

極右政党の支持者には、白人至上主義の過激派も含まれており、こうした政党が選挙で大躍進することになれば、欧州連合(EU)は分裂の危険性が高くなる歴史的な転換点を迎えることになります。

 

欧州諸国での極右運動のイデオロギーとは、戦前のヒトラー率いるナチス・ドイツのような民族主義による絶対的な優越性を主張し、他の民族を劣等な存在として差別する思想ではないものの、イスラム系移民の排斥は民族的な差別意識に基づいているかもしれません。

 

極右政党の支持者の考え方としては、欧州諸国では出生率の高いイスラム系移民の侵略から白人種の貴重なキリスト教の価値観も消滅し、イスラムが世界を支配することを恐れていることから来ているように思います。

 

これが、欧米人の極右思想を象徴するものだとすると、極右運動の目標は白人種のキリスト教文化を守るためにイスラム系移民を徹底的に排斥することにあると言えそうです。ということでは、現代の極右運動は戦前のナチス・ドイツと同じようなものではないでしょうか?

 

しかし、実は現代の極右思想は戦前のナチズムとは根本的に異なっています。なぜかと言えば、世界中の極右政党支持者が信奉しているロシアンのプーチン大統領の元側近であるアレクサンドル・ドゥーギンの思想があるからです。

 

これまでドゥーギンの思想は、過激思想としてしか見られていませんでしたが、フランスやドイツなどの極右運動の拡大に伴い、欧米のマスメディアが危険視するようになりつつあります。これが、極右運動の共通した世界観として見られるようになりました。

 

ドゥーギンの提唱する思想は「新ユーラシア主義」と呼ばれており、1917年のロシア革命後、欧州諸国に亡命したロシアの知識人から生まれ、現代に引き継いでいるというわけです。つまり、ロシアはアジアでもヨーロッパでもない独自のユーラシア国家であるということです。

 

だからこそ、自立した個人の活動を前提にする欧米の資本主義を追求するべきではなく、むしろ民衆に寛容な優しい全体主義を目指すべきものとされていました。モスクワ大学教授でもあったアレクサンドル・ドゥーギンは、過去のものとなっていたユーラシア主義を現代に蘇られさせました。

 

「新ユーラシア主義」の思想は、それぞれの国の文化は独自な価値があり、その文化的な価値を尊重し、それに基づく社会システムを形成する、という主張です。

 

ドゥーギンは、20世紀までの自由民主主義とマルクス主義、そしてファシズムという3つの思想が社会形成の基礎となっていたと説明しており、それが21世紀になるとマルクス主義もファシズムも姿を消し、「自由民主主義」が唯一残ったとも語っています。

 

自由民主主義というのは、「市場経済」と「民主主義」という2つの基礎がありましたが、ここ数年であまりにもグローバル化したため、誰も自由民主主義をイデオロギーとしては認識していないわけです。

 

このため、それぞれの文化圏が持つ独自な社会思想は無視され、どの文化も市場経済と民主主義という全く同じにはならない現状があります。つまり、これがグローバル化がもたらす悪い統一性ということです。

 

グローバル化ほど、それぞれの文化圏の独自性を無視する思想はなく、どの文化圏もその文化に独自な社会思想を基盤にしてユニークな社会を構築する権利があるというわけです。この権利を追求し、グローバルな「自由民主主義」に対抗する思想こそ「新ユーラシア主義」です。

 

地理的にも「ユーラシア」は、アジアでもなく、またヨーロッパでもない独自な価値と社会思想が伝統的に存在している地域ではあります。その価値と思想は、多民族的で多文化的であり、多くの民族のバランスの元に成り立つという考え方です。

 

今後、ロシアはこのユーラシア的価値の守護者として、どこでも同じ価値を強制する「自由民主主義」に対抗し、中国は中華文化圏の、欧米は欧米文化圏の、それぞれ独自な価値を社会思想として追求し、それぞれ独自な社会を構築することができるかもしれません。

 

それこそが、社会が矛盾なくまとまることのできる唯一の方向である可能性があります。そしてロシアこそ、こうした運動の先駆けとなるというのがアレクサンドル・ドゥーギンが提唱する「新ユーラシア主義」です。

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