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「多民族主義」でロシアは勢力拡大、「白人優越主義」でヨーロッパはイスラム排斥へ

更新日2019年5月15日

アレクサンドル・ドゥーギンの新ユーラシア主義
新ユーラシア主義の多民族型世界秩序マップ
image from http://evrazia.org/modules.php?name=News&file=article&sid=1886

 

ロシアの「新ユーラシア主義」というのは、経済格差や伝統的な社会秩序の解体など欧米諸国による規制のない市場経済と民主主義のグローバルな拡大がもたらした負の効果に憤っているあらゆる党派や集団を強く引き付ける潜在的な可能性があることがわかりつつあります。

 

つまり、伝統的な文化とその価値こそ最も貴重なものであり、これに基づいた社会こそ安定した社会であるとする思想です。

 

そして、伝統文化の擁護を強く主張するこのような「新ユーラシア主義」からすれば、イスラム系移民の激増はグローバル化がもたらした負の遺産以外の何ものでもなく、イスラム系移民からヨーロッパ文化の伝統的な精神性を守ることこそ、極右運動の理想とする社会を実現する唯一の方法と考えられているわけです。

 

「新ユーラシア主義」を提唱しているアレクサンドル・ドゥーギンによると、「新ユーラシア主義は、プーチン大統領の外交政策の基本方針にもなっており、プーチン大統領こそあらゆる勢力から新しい潮流として称賛されてしかるべき存在だ」としています。

 

アレクサンドル・ドゥーギン
ウィキペディアのアレクサンドル・ドゥーギンのへのリンク画像です。

 

このようなドーギンの「新ユーラシア主義」は、ヨーロッパで極右政党の連合を形成し、EU(欧州連合)を内部から解体させようとしているトランプ政権で活躍したスティーブ・バノンも強い支持を表明しています。

 

スティーブ・バノン
ウィキペディアのスティーブ・バノンのへのリンク画像です。

 

バノンの思想を見てみると、その思想の大きな柱になっているのがキリスト教の価値への回帰と再興です。バノンはアメリカの資本主義が暴走し、あまりに大きな経済格差を生み出した最大の原因は、資本家がキリスト教の価値観を喪失し、あまりに自己中心的になったためだと考えているようです。

 

キリスト教の価値観が普遍的に信じられていた1960年代までは、資本家は社会的格差を縮小するために積極的に寄付を行い、社会に貢献してきました。こうした資本家の行動によって社会福祉がゆきわたり、格差は是正されてきたわけです。

 

これこそ、アメリカの伝統的な価値に基づいた本来あるべき資本主義の形であって、社会が今後も存続するためには資本家を含め全ての国民はこのキリスト教の伝統的な価値観へと回帰しなければならないとバノンは考えています。

 

そして、キリスト教の価値観に基づいて強いアメリカを再興するためには、これを阻止する強大な敵が存在しており、IS(イスラム国)やアルカイダのようなイスラム原理主義がその代表格です。強いアメリカを再構築するためには、この悪意に満ちた敵と戦わなければならないということです。

 

バノンの講演を聞いてみると、イスラム原理主義と一般のイスラム教徒とは一線を引いているように聞こえます。しかし、実際にはイスラム教そのものへの強烈な敵意を感じることがあります。その結果、新しいアメリカ国民として受け入れられるのは、キリスト教の価値観を共有する者に限られることになります。

 

このように、バノンのようにイスラム系移民の侵入から欧米を守り、欧米の本来の精神性の基礎であるキリスト教の価値観を再興するという理想は、それぞれの文化圏の固有性の保持を主張するドーギンの「新ユーラシア主義」と完全に一致しています。

 

新ユーラシア主義は、現代の欧米の極右政党の目指す世界観があり、自分の民族の伝統文化の優越性を主張し、他の劣等な民族の差別と排外を主張する、いわば戦前のナチズムのような優越思想とはかなり異なっているのがわかります。

 

市場経済と民主主義という理念に伝統文化の固有性を解体するグローバル化に抵抗し、それぞれの文化のユニークな特徴を守る「多民族主義」こそ、抗議デモが主張する世界観ということです。

 

ナチスドイツのような「白人優越主義」とは異なり、イスラム系移民の排斥もイスラムを劣等な文化として蔑視するから行うのではなく、イスラム系移民の拡大を、伝統的なキリスト教文化の固有性を解体するグローバル化の脅威として抵抗しているということです。

 

こうした「多民族主義」こそ、フランスなどの抗議デモが躍進する理由であると理解できます。もし抗議デモが、戦前のナチスドイツと同様の自民族の優越性を主張し、他の民族の劣等性を強調する排外思想だとしたのなら、抗議デモは現代ヨーロッパの中間層にまで浸透する広がりを持つことはできなかったはずです。

 

こうした、「多民族主義」の理念を共有した欧米の抗議デモは、イスラムとの激しい対立を繰り返しながら、欧州議会(EU)選挙を分水嶺としてこれから一気に拡大する可能性があり、その結果、イスラムとの対立はさらに激しくなるものと思われます。

 

そして2020年からは、現在のグローバルな秩序と価値観を根本から変化させてしまうことになりそうです。そして、このような抗議デモの躍進は、「新ユーラシア主義」を主張するロシアの勢力拡大につながっていくのは明らかです。

 

バノンが起こしているヨーロッパの極右政党も、最終的にはロシアの利益にもなるということです。ところが、そこには隠された側面があります。それは、ロシアが主導する「多民族型世界秩序」の概念です。これこそが、プーチン大統領の目標であることは間違いありません。

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