世界経済のリセッション確率98%強に、株・債券・商品が軒並み安
(出典:2022年9月27日 Bloomberg)
9月に入り、アメリカの「利上げショック」やイギリスの「ポンド暴落」、そして日本の「円安」など、金融市場で異変が起きています。
「上がれば下がる」、「下がれば上がる」という自然法則というのは、晴れが続けば雨が降る時もあるように、多少人為的な相場操作があったとしても、上昇局面が来れば下落局面となるということです。
良い時があれば悪い時もあるわけで、2019年以降は悪い時がやってきていると思うことが重要です。しかし、本当に悪い時はこれからやってくるので、下がるだけ下がるといつか底値が見えてきて、今度は逆に上がるだけ上がるという局面もやってきます。
大事なことは、このような経済や相場の動きを予測し、前もって手を打つことです。いつの時代でもどん底を感じ取れる人がいますが、不動産価格や株価の流れを読めるのはギャンブラー(博打打ち)だけです。
フォーブス世界長者番付・億万長者ランキング(2022年版)
(出典:2022年4月6日 MEMORVA)
フォーブス誌によると、2022年は株式市場の低迷により、億万長者は前年から87人減って2668人もいます。 10億ドル(約1230億円)以上の資産を保有している人物が対象で、保有資産は前年より4000億ドルも減り、12兆7000億ドル(約1562兆円)です。
国別で最も多いのがアメリカで735人、2位は中国(香港とマカオを含む)で607人です。世界長者番付で1位となったのは電気自動車メーカー・テスラ社のイーロン・マスクで、2位はネット通販 Amazon.com のジェフ・ベゾスです。
長者番付5位のバークシャー・ハサウェイ社のウォーレン・バフェット(アメリカ人)と、テレフォノス・デ・メヒコ社のカルロス・スリム(メキシコ人)以外の億万長者はITや卸売り・小売業などグローバル企業の経営者です。
ウォーレン・バフェットも推奨する「長期投資」戦略、バイ・アンド・ホールドを理解する
(出典:2022年9月20日 MONEY INSIDER by BUSINESS INSIDER)
世界最強の投資家であるバフェットは、アメリカがベトナム戦争に負けて国内が混乱していた1970年代に優良企業の株式を買い集めたことで知られています。2008年にリーマンショックが起きた際も、優良企業の株式を大量に買って利益を上げています。
現在92歳のバフェットですが、未だに現役の投資家として活動しています。一方、メキシコ人の投資家カルロス・スリムは1980年代にメキシコ経済の財政が悪化してIMFが乗り込んできた際、メキシコ政府が通貨を切り下げたタイミングで優良企業の株式を底値で買いました。
そして、辛抱強く保有し続けた結果、メキシコ経済が息を吹き返してきて優良企業の株価が上昇していったわけです。バフェットやスリムは超富裕層ですが、その富を生み出した要員こそ底値で優良企業の株式を取得したことでした。
世界的な景気後退が現実味を帯びてきた…米フェデックスの業績悪化に投資家が色めき立っているワケ
(出典:2022年9月26日 Yahooニュース)
リーマンショックの時のように、株価が大暴落すると誰もが逃げようと損益を出しながら利益を確定するのが普通です。しかし、将来性の高い企業の株を底値で拾うことほど難しいことはありません。
しかも、それを長期で持ち続けることは至難の業です。なぜかと言えば、人生の中で結婚したり、子どもが生まれたり、会社を起業したり、事業に失敗したり、家を買うなど何かと物入りがあるからです。だから、誰でもできるようなことではないわけです。
世の中には、戦争や金融恐慌、食糧・エネルギー危機が起きている中で、決断ができる人たちが存在しています。確かに、家族や会社の従業員は我慢を強いられますが、成功すれば裕福な生活を送ることができるということです。
ところが、私たちはプロの投資家ではなく、株や不動産に全財産を投資することはできません。だから、それよりも現物の金地金(ゴールド)を保有してリスクヘッジするほうを選びます。それもできないなら、食糧や灯油を備蓄するしかありません。
|