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当然、アメリカで博士号を取得し、中国に帰国した優秀な人材が設立したベンチャーには、中国の政府系ファンドも投資をしてるわけです。
特に、5Gのテクノロジーに関しては、中国政府の科学技術部や工業情報化部、そして国家発展改革委員会が推進グループを設置し、ファーウェイを始めとする中国の5G関連企業の全面的な支援を始めています。
このような中国の恵まれた環境の中、知的財産権の侵害によって先進国の企業が開発した先端的技術を産業スパイが盗むことだけが、中国のテクノロジーの基盤であるとする日本のマスメディアで報道されているようなイメージとは異なるということがわかってもらえると思います。
いずれにしても、中国の経済力を基盤とした巨額な投資や、500万人を超えるアメリカ帰りの博士号レベルの人材が、中国の最先端テクノロジー開発を支える基盤となっているわけです。
これが、イギリスやアメリカを始めとした各国経済への影響力の拡大と合わせて、中国の最先端テクノロジーの世界覇権を目指す基礎になっていることは明らかです。
今後、トランプ大統領を筆頭に、米中貿易交渉で中国の知的財産権の侵害さえ効果的に禁止できれば、中国のテクノロジー開発の勢いは止まると考えるのは早計であることがわかるはずです。
現状を見ると、そうはならないというよりも、むしろトランプ政権による中国への圧力があるにもかかわらず、5Gや6Gや半導体製造、量子コンピューター、AI（人工知能）、そして宇宙開発などの最先端テクノロジーの分野では、中国の安く済むテクノロジーとアメリカの高いテクノロジーとが競合することになります。
しかし、テクノロジーのレベルが全く同じであるならば、誰もが中国製品や通信網を購入したいと考えるはずです。
実際に、ファーウェイ創業者の任正非会長は、「最先端で安いテクノロジーを提供すると、アメリカからどんなに圧力がかかろうとも、各国はファーウェイの機器を導入せざるを得ない」と語っています。
これから中国は、かなり厳しい時期に入ってくるものと考えられます。なぜなら、国内の経済成長率は鈍化するのは明らかで、株価や不動産をはじめとしたあらゆるバブルが崩壊する可能性があるからです。
そうした中国の状況を見ていくと、日本ではさらに「中国崩壊論」が活性化することになるものと思われます。もはや中国には未来がないというイメージがマスメディアを通して日本人ひとり一人にも伝えられることになるでしょう。
しかし、そのようなイメージばかり持っているだけでは、本当に中国が持つ潜在的な発展力の現状を完全に見失うことになるのは明らかです。これには注意しなければならず、何とか日本が生き残っていく次の方法を考えるタイミングに来ているように思います。
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