動画:トランプ氏が退院、ホワイトハウスに戻るやマスク外す
(出典:2020年10月6日 AFP BB NEWS)
トランプ大統領に陽性反応が出たことがきっかけとなり、アメリカ国内のリベラル派と保守派による分断はさらに激しくなっています。
10月6日、容体の悪化が一時は懸念されたものの、トランプ大統領は3日間の入院を打ち切り、退院し、テレビ生中継に間に合うように視聴率が高い午後6時半に、入院していた軍病院から大統領専用ヘリコプターでホワイトハウスに到着しました。
その後、ホワイトハウスのバルコニーに駆け上がり、マスクを外してスピーチするという手の込んだ演出を行っています。
密多発、マスクなしも横行… コロナ危険地帯のホワイトハウス
(出典:2020年10月3日 AFP BB NEWS)
一方、ホワイトハウスでクラスターが発生し、すでに大統領を含め16人の感染が明らかになっています。また、米軍トップの国防総省統合参謀本部の軍幹部や、沿岸警備隊の幹部の感染も見つかりました。
ホワイトハウスのスタッフや関係者、そして米軍の高官の間ではさらに感染の拡大が懸念されており、ホワイトハウスや軍の一部が機能できなくなる可能性も指摘されています。
そのような状況の中、トランプ大統領の症状は一時的に悪化したとされています。血中酸素濃度が低下し、息苦しさと強い倦怠感を感じるようになったことから。一時的に酸素吸入の手当てを施したようです。
報道によると、ICU(集中治療室)に入院している重症患者にしか投与されない未承認薬のレムデシビルと、酸素吸入が必要な重症の感染症患者に効果がある強い副作用のあるステロイド薬のデキサメタゾンが投与されています。
トランプ「胎児の細胞」利用した新薬で保守派総スカンの危機
(出典:2020年10月11日 Yahooニュース)
米国感染症学会(IDSA)によると、デキサメタゾンは自己免疫反応が抑制されるため、軽症者に投与された場合はむしろ害になる恐れがあると公表しています。さらに、副作用として視界不良や不整脈などの身体症状の他、躁鬱(そう・うつ)など精神症状が出る恐れがあるようです。
実際に、トランプ大統領は退院してからすぐにツイッターで50を越える投稿を連続的に行っています。どのツイートも大した内容ではないものの、明らかに躁(そう)状態であるように感じました。当然、トランプ大統領自身がツイートしているわけではありません。
例えば、ツイート内容として「株高、宗教の自由、減税、法と秩序を求めるなら、投票せよ!」というようなものがありました。こうしたツイートが延々と続いていましたが、デキサメタゾンの副作用である躁(そう)状態になっていると演出した可能性があります。
このように、回復を力強く演出して見せたトランプ大統領ですが、重症化する可能性があった10月13日を過ぎても病状が急変していません。しかし、これから1週間程度は予断の許さない状況が続きます。
さて、トランプ大統領の感染が「フェイク」ではないのかという疑念が、ハリウッド・スターや映画監督、コメディアンなど民主党支持者たち(リベラル派)から出ています。中にはトランプ大統領の死を願うツイートもあります。
自国の大統領の体調が思わしくない場合、普通は形式だけでもお見舞いの言葉を一言述べるのがアメリカでも慣例となっているが、民主党支持者のハリウッドスター(有名人)たちからはそのような礼節は全く見られていません。
米人気歌手T・スウィフトさん、大統領選でバイデン氏支持表明
(出典:2020年10月8日 AFP BB NEWS)
グレタさん、バイデン氏支持 若者に影響 米大統領選
(出典:2020年10月11日 Yahooニュース)
SNSで2億人以上のフォロワーを持つ人気歌手のテイラー・スウィフトが「命を守る政府が必要だ」と正式に民主党のバイデン支持を表明し、アメリカ国民ではないスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリでさえ、バイデンに投票するようツイッターで呼びかけています。
アメリカでは、テレビや新聞の報道内容がほとんど信じられていないのが現状です。だから、ビジネスマンは「ニューヨーカー誌」や「エコノミスト誌」などそれぞれ自分に合った週刊誌を定期購読する傾向があります。
自然科学と経営に興味がある知識層であれば、「フォーチュン」や「ナショナルジオグラフィック」を愛読しています。アメリカでは、新聞よりも評論してくれるオピニオン誌のほうが影響力を持っているわけです。
一方、教養レベルの低い多くのアメリカ人に対しては、SNSで拡散するほうが大統領選挙に与える効果は大きいのがわかります。ハリウッド・スターや人気のアーティスト、そしてコメンテーターなどインフルエンサーを起用し、大衆に向けて巧妙なプロパガンダを仕掛け、トランプ大統領を落選させうようとしています。
14 Absolutely Horrible Things That Were Said About Trump After He Was Diagnosed
(出典:2020年10月4日 End of The American Dream)
彼らのツイートを見ると、トランプ大統領への露骨な憎しみや感染を疑う内容ばかりです。そのほとんどが、実際には感染しておらず、同情票で選挙戦を有利に進めたいトランプ大統領が演出した「フェイクではないのか?」というものです。
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