これは見えない大増税だ…利上げしない政府・日銀が国民のお金を年30兆円も溶かしているのをご存じか
(出典:2023年7月13日 Yahooニュース)
コロナ騒動の3年目である2022年から、日本でもいわゆる「コストプッシュ・インフレ(資源高)」が起きていると報道されるようになりましたが、「債権国」である日本はあくまで「デフレ経済」が30年も続いているという認識を持つことを忘れてはいけません。
一方、「債務国」であるアメリカは中央銀行FRBが15年以上も金融緩和を実施したことで、間違いなく「インフレ経済」が起きています。また、アメリカ以上にインフレ率が高いヨーロッパ諸国では、中央銀行ECBが利上げを継続させています。
世界で唯一(中国を除く)、日本の日銀だけはゼロ金利政策を延々と続けており、円安によって生産コストが上昇し、「コストプッシュ・インフレ」が起きているという理論が強調されているわけです。
そして、10%の消費税とは別に、さらに10%が円安でステルス的に増税されているのと同じ状況に置かれています。つまり、日本人は20%も可処分所得(自由に使えるカネ)を失ったことになり、さらに物価があがれば日本円の価値はもっと目減りしていくことになります。
だから、預金口座に100万円と記載されていたとしても、実際には2020年と比べると80万円しかないことになります。しかし、ほとんどの日本人にとっては100万円は100万円であり、何も変わっていないと思い込んでいるわけです。
要するに、日本経済は「デフレ」ですが、「インフレ」も同時に起こっているということです。額面は同じでも日本円の価値は減っており、インフレというのは物価高ではなく、通貨の価値が下がることなのはあまり理解されていません。
食品値上げ、年間3万5000品 円安や電気代でコスト増
(出典:2023年7月12日 時事通信)
その結果、タンス預金や預金口座に日本円を保有しているだけでは、価値が目減りさせられてしまいました。毎月、同じ額の給与が自分の預金口座に振り込まれているとしても、実質的には賃金は下がっているとも言えます。
このことを感覚的にうすうす気づいている人も多いと思いますが、2022年以降の生活レベルは確実に低下しています。なぜかと言えば、これまで買っていた商品を買わなくなり、さらに低価格の商品を買っているからです。
例えば、1パック200円に値上がりした牛乳ではなく、150円の安い牛乳(スーパーのオリジナル商品)を買うようになったということです。ここまで物価高になれば賃金が上がるはずですが、むしろ賃金は下がっているのが現状です。
5月の実質賃金前年同月比1.2%減 14か月連続マイナス
(出典:2023年7月7日 NHK NEWS WEB)
その理由はインフレではなく、「デフレ」だからです。大企業が「便乗値上げ」をしているだけで、中小企業は価格を据え置きしています。そして、岸田政権が最低賃金を上げると、大企業はますます値上げし、中小企業は値下げしていきます。
結局、物価が上がっても「名目賃金」が上がるだけで、「実質賃金」は下がるという不可解なことになってしまいます。自分の責任を果たさない日本政府や大企業、銀行が主導権を握っているうちは、ただのサラリーマン世帯が貧困化していくことになります。
日銀・植田総裁「何でも知っているけど何もしない」就任100日は何点か?
(出典:2023年7月19日 DIAMOND online)
近い将来、日本でもデフレから脱却して本格的にインフレ時代に突入していくのは確実です。その時、月々の給与と預貯金だけでは必ず暮らせなくなるかもしれません。なぜかと言えば、急激に金利が上がっていくからです。
日本では、住宅ローンを組んでいるサラリーマンを守る傾向が強く、それこそが自民党が政権を保持続けている理由の一つです。しかし、日銀が政策金利を上げると変動金利で住宅ローンを支払えなくなってしまうので、政府・日銀は何のインフレ対策も講じていません。
今年4月、日銀総裁が黒田東彦から植田和男に変わりましたが、植田総裁は金融緩和政策を継続させています。日本社会をひっくり返すような政策はせず、まずはアメリカの経済状況を見極めています。
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