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バイデン氏、米軍撤退は正しいと主張 国民に向け演説
(出典：2021年9月1日 BBC）
20年間、アフガニスタンに駐留していた米軍の撤収作業がついに完了しました。しかし、民間人がアフガニスタン国内から出られないため、大混乱に陥っています。
結局、バイデン政権の手法では、アフガンに滞在している民間企業に勤務するアメリカ人や、通訳などアフガン人協力者たちを期限までに全員退避させるのは困難であることが露呈してしまったわけです。
アフガンの実権を掌握したタリバンは、米軍が撤収期限である8月31日以降も作業を行うのであれな、武力行使も辞さない構えを示しており、バイデン大統領はさらに苦しい決断を迫られています。
バイデン政権の高官の話では、米軍が本格的な撤収を始めた8月14日以降、国外に退避させたアメリカ人やアフガン人、そして諸外国の民間人は5万人とされています。その後、数万人の外国人が帰国したと報道されています。
国防総省の推定では、現在も数千人の民間人がアフガンからの退避を待っており、アメリカのサリバン大統領補佐官（国家安全保障問題担当）は、アメリカ国民が空港に到達できるようタリバンと連日協議していると発表しました。
アフガニスタンからの退避派遣の自衛隊機の撤収決定 岸防衛相
(出典：2021年8月31日 NHK NEWS WEB）
そのような状況の中、岸防衛大臣は日本国民をアフガン国外に退避させるために派遣していた自衛隊機の撤収を決め、輸送活動の終結を命じています。退避を希望している大使館や国際機関で働くアフガン人スタッフなどへの支援は、外務省職員などがあたることになっています。
たった1人の日本人女性とアフガン人14人は、自衛隊機によって隣国パキスタンの首都イスラマバードに退避しています。そのために日本国民の税金を使ったということで、菅政権はバイデン政権と似たような失敗を繰り返しており、このままでは次の衆議院選挙で大敗するのは明らかです。
話を戻しますが、通訳などで欧米諸国に協力したアフガン人のほとんどは、移住するための正式な書類を持っておらず、タリバンの強権的な仕打ちを恐れてカブール空港に殺到するなど、2週間経ってもパニック状態は続いています。
多民族国家、軍閥割拠…タリバンはアフガニスタンを統治できるのか【混迷するアフガニスタンのこれから】
(出典：2021年9月2日 @niftyニュース）
一方、アフガン各地の大都市でも混乱が拡大しているようで、タリバンの最高司令部はイスラムの「シャリーア法」の範囲で女性の権利を認め、前政権の協力者などへの報復はしないと公表しています。
また、アフガン国内にいる約半数のパシュトゥン人以外の部族が参加した政府を樹立し、国際社会と良好な関係を維持したいと声明を出しています。つまり、イスラム法に違反する者を処刑し、女性を残虐に扱ってきた以前のタリバンとは違うイメージを強く打ち出しているわけです。
「スンニ派」のタリバン政権は、「シーア派」が多いイランのようなイスラム原理主義と近代的な官僚制度、そして教育システムなどを両立させた安定したイスラム国家の建設を目指しているようです。
すでに多くの女性やタジク人やハザラ人、ウズベク人などの少数民族は、アフガン政府で働いていますが、本当にタリバンが経済発展を目指すのかどうかは未知数です。しかし、カルザイ前大統領など政府高官や閣僚などと政権樹立に向けての協議を進めています。
つまり、欧米諸国や中国などのような「革命」ではなく、日本の「維新」のように内戦をせず、前政権の人々にも協力してもらいながら新しい国づくりを進めている印象があります。
タリバンは、国際社会に協調するための国家統治の方針を打ち出していますが、部隊や指揮官には具体的な指示が届いておらず、無視されています。当然、アフガン国内では未だに混乱した状態が続います。
穏健派アピールの一方で処刑を実行、2つの顔を持つタリバンが目指す国の姿とは
(出典：2021年8月25日 Yahooニュース）
例えば、投降した政府軍の兵士や警察官の処刑、戦闘員の妻となる若い女性の差し出し要求、そして女性への激しい暴力や殺害が全土で起きています。タリバンの最高司令部は国際社会の現状を学習したかもしれませんが、戦闘員たちは20年前とほとんど変わっていません。
さらに、タリバンはアフガニスタン全土にある刑務所から収容者を脱獄させており、タリバンの戦闘員以外に「IS（イスラム国）」の戦闘員も解放されているようです。タリバンはアルカイダと協力関係にありますが、ISとは敵対しています。
これまでタリバンによって抑えられていた反スンニ派の原理主義テロ集団ISですが、各地で爆弾テロを起こしたと声明を出しています。ISの声明によると、シーア派のハザラ人を狙った復讐であるということです。
カブール空港では、避難民が殺到するゲート近くで治安部隊と武装勢力との間で銃撃戦が発生し、米軍兵士とドイツ軍兵士に死傷者が出ています。詳しいことはわかりませんが、タリバンはISと内戦状態にあるものと考えられます。
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2021年9月3日
