【社説】バフェット氏の「ギャンブル行為」批判 症状は見ても病を見ていない
(出典:2022年5月2日 THE WALL STREET JOURNAL)
日本には、公営ギャンブルである宝くじやパチンコ、競馬、競輪、競艇などが存在しています。また、賭博(とばく)場でしかないFX(外国為替証拠金取引)や仮想通貨市場などスマホがあれば誰でも参加できるような体制になっています。
このような博打(ばくち)は決して投資とは呼べませんが、どうしても半か丁かに賭けるのが好きな人たちは後を絶ちません。賭博の大前提は、あらかじめ取り決められている厳密なルールに従って勝負を行い、偶然もたらされた結果に従うことです。
ところが、胴元(主催者)側が自分に有利になるように、様々なトリック(詐術)を使って表向きのゲームとは違うことが起きるように細工をするわけです。そういう意味では、株式市場も公営ギャンブルであると言えるかもしれません。
ギャンブルとは何が違うのか「投資」の本質を考える
(出典:2022年1月24日 毎日新聞 経済プレミア)
よくある手法としては、投資家に気づかれないようにメディアを介して売買を促すことで、錯誤させて表向きの確率や期待値とは違うように、実際の確率及び期待値を改ざんすることもあります。だから、いかさま賭博を行う胴元(証券取引所や国際金融資本など)を、いかさま師だとかゴト師などと呼んでいるわけです。
金品を賭けた勝負事(ゲーム)は、昔から侠客(反社会的勢力)が胴元として主催している場合が多く、洋の東西を問わず、魅了される人が多いということです。例えば、ラスベカスなどのカジノは当たれば一瞬にして大金持ちになれると同時に、金額が大きいほど快感を得られるようになっています。
そのことを熟知している証券会社や銀行は、テレビCMなどの広告宣伝で「射幸心(努力や苦労をすることなく、利益や成功だけを願う欲)」を煽って多くの参加者を募り、ある程度利益を得た人間たちを離れなくさせていきます。
実際に、一度でも儲けると離れられなくなってなり、損を出してばかりいる人間にも妄想させて興奮状態にさせることができます。もはやサラリーマン生活では、一生持ち家が持てないことが確定的な若い世代は富裕層にまでのし上がることはほとんど不可能です。
だから、金持ちになるために金融市場という賭博場に足を運ばせる人が後を絶ちません。すでに普通に仕事することがバカバカしくなっており、投資にのめり込むほどカネを失い、最終的には人生を失うことになりかねません。
まさか夫が…「ギャンブル依存症社員」の実態。同僚や取引先から借金・数百万
(出典:2023年2月13日 BUSINESS INSIDER)
消費者金融でカネを借りるまでパチンコに依存した人のように、資本家に人生を奪われてしまった人々から学ぶことは多いです。なぜかと言えば、彼・彼女たちの多くが小金を得ようとして大金を失っている共通点があるからです。
大都市の歓楽街には、そういった人たちが多く存在してますが、直接インタビューする気にはなれません。精神状態が極限まで壊れていることに気づくには、ある程度の社会構造や心理学を身につけておく必要があります。
そうしなければ、彼・彼女らのネガティブな考え方に引きずり込まれてしまい、むしろ自分がノイローゼになってしまいます。きっかけは少額の借金であったかもしれませんが、それが積み重なっていくと大きな借金になっていくのが特徴です。
そのことに気づくか気づかないかは大きな差であり、このことは会社経営でも言えることです。2020年に引き起こされたコロナ騒ぎで、お客さんが一人も来ないのに営業し続けた経営者の一部は借金までしていました。
企業の「倒産」が4月以降に急増の恐れ!帝国データバンクが最新データで解説
(出典:2024年1月18日 DIAMOND online)
実は、政府のコロナ対策であった無担保・無利子のいわゆる「ゼロゼロ融資」は、借金を負わすための戦略であり、金銭感覚が狂ってしまった会社の約2割が倒産・廃業するしか選べなくなりつつあります。彼らも、運営資金が少しだけ必要だっただけでした。
パチンコ依存症と借金が返済できずに倒産させた経営者は考え方が基本的に同じであり、誰もが人生を失うリスクを抱えていることがわかります。また、助成金や補助金を不正に得た会社のように後で高くつくこともあります。
20代に地道に貯金してきた人は、30代で「脱サラ」してようやく起業して資産形成に入るのがパターンですが、40代で投資することになっても金融市場の構造上、成果が出るのは50代になってからというのが普通です。
つまり、投資というのは10年以上かかる長期的な資産運用であり、1ヵ月後、半年後に金持ちになれることなどできないのが現状です。「今だけ、金だけ、自分だけ」の罠はどこにも仕掛けられており、それに騙されないために語学力と情報リテラシー力を身につける必要があります。
日本人の平均寿命である80歳まで生きるのなら、50代・60代で資産を増やし、できれば70代になっても働ける健康状態にしておきたいものです。寿命から逆算すれば、人生は意外と長いことに気づくはずです。
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