「大和西大寺駅」と「平城京」 安倍元首相銃撃事件で識者が見た“新しさ”と“歴史の皮肉”
(出典:2022年7月16日 Yahooニュース)
前回の続きですが、問題は「安倍元首相殺害」によってこれから政界や財界の要人たちが殺害される事件が頻繁に起きると、それをテロとして正当化する人たちが増えてくることです。
例えば、シリアやイラクを拠点として暴れまくっていたイスラム系テロ組織「IS」に共感していた人々が多数存在していました。いわゆる「イスラム原理主義」ですが、実は日本でも戦前にテロ事件が多発していたわけです。
最初の要人殺害は1921年で、まず原敬首相が暗殺されています。その後、10年間は暗殺事件が起きませんでしたが、1932年に日蓮宗の僧侶、井上日召が率いるテロ組織が三井財閥総帥の団琢磨や元大蔵大臣の井上準之助などを暗殺した血盟団事件が起こりました。
1936年の「2.26事件」まで要人を狙った殺人事件が続きましたが、井上は法華経と日蓮の教えを独自に解釈して、宇宙全体が生命体と考えていました。そして、この世の生命体には全て仏が宿っているとし、その生命体が死ぬと一体化すると本気で思っていました。
不況の最中に規模拡大、三井財閥トップを襲った血盟団事件
(出典:2022年7月18日 JB press)
当時、現在の政治家や官僚、大企業と同様に、日本を支配している勢力は「今だけ、カネだけ、自分だけ」であり、神仏の存在など全く感じない人間たちが上層部にいたと思われます。井上は、これが日本社会が歪んだ原因と考えていました。
そして、これを是正するためには政界や財界のリーダーたちを殺害し、成仏させることを正当化したわけです。このような極端な思想を唱え、「一人一殺」をスローガンとした「血盟団」の構成員たちが集まってきました。
1930年に始まった世界大恐慌の影響で、日本でも昭和恐慌が起きて物価高となり、雇用が減って賃金が得られなくなったことで、農村では親が自分の娘を身売りするようなことが行われました。また、凶作で飢餓が起きていたとされています。
日本でも飢えと渇きで苦しむ農家たちと、裕福な政界・財界人との間で極端な経済格差が開き始め、将来への希望と生きる意味を失った多くの人たちが血盟団を支持するようになりました。つまり、社会的ストレスを発散するための起爆剤になったということです。
旧統一教会とカネのやりとり「政治家15人」の名前下村元文科相は献金受け取り、会費も支出
(出典:2022年7月19日 Yahooニュース)
竹中平蔵氏、パソナ会長退任へ 「10年やり区切り」
(出典:2022年7月19日 産経新聞)
おそらく、今回の安倍殺害がきっかけとなり、さらに景気後退が進むことで要人の殺害を正当化する極端な思想を支持するような、宗教者や思想家が出てくる可能性があります。SNSのツイートでは、すでに過激なメッセージが拡散されています。
銃社会ではない日本では、要人を殺害することは困難で、せいぜい包丁やキャンプ用のナイフが使われることが多いと思います。しかし、山上容疑者のように自作の銃や弾丸で暴挙を企てる人たちも出てくかもしれません。
その思想の根底にあるのは、統一教会や創価学会を筆頭とした新興宗教団体による歪んだ教えです。元信者たちが集まり、復讐のために凶器で殺人を犯すことを正当化するようになれば、いよいよ日本はカオスに突入していきます。
実際に、参議院選挙で圧勝した自民・公明党の結果を受けて、日本は完全に終わったと悲観ムードが漂い始めています。その他大勢の人々も、数年後にカオスに巻き込まれて人生の終焉を迎えることになるかもしれません。
ほとんどの日本人は、これから起きることに興味や関心がなく、知りたいと思っていません。現実を認識することができないので、食料やエネルギー備蓄の正念場である夏から秋にかけて無駄に時間を浪費させています。
ヨーロッパ 40度超の記録的猛暑山火事で東京の2倍の面積焼失
(出典:2022年7月18日 NHK NEWS WEB)
一方、西洋文明の中心国であるイギリスやフランス、スペイン、ポルトガルでは、気温が45度を超えたり、大規模な森林火災が続いています。この500年間の「物質文明」を支えた白人たちの役目は終わり、私たち東洋人の「精神文明」が次の主役となります。
ところが、日本人の多くが西洋化しており、虫の鳴く声さえ聞こえなくなっているようです。同時に、カオスがやってくる足音を聞こえないので、あるタイミングで危機がやってきた時に全滅することになりかねません。
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