コロナ特効薬&ワクチン、米中日欧で進む研究開発の最前線を追う
(出典:2020年5月18日 Newsweek)
新型コロナウイルスは、高温多湿の環境では活動が弱まることが「アメリカ国家安全保障省」の記者会見で確認されました。
実際に、高温多湿の東南アジア諸国では、シンガポールのように外部から感染者が入国しない限り、感染者数は北半球に位置する中国や欧米諸国よりも少なく、致死率や患者数も低く、回復率も高いわけです。
当然、これから高温多湿になる日本やアジア圏では、新型コロナウイルスの蔓延は一時的に収束に向かう可能性があります。
一方、未だに感染者数が増え続けており、致死率が高く、回復率の低い欧米諸国では、早すぎる経済活動の再開が仇となり、新たな感染爆発が起きる可能性があります。特に、アメリカでは各地で反対運動の暴動が発生していることから、このまま収束しないかもしれません。
さて、こうした状況で各国が影響力を拡大させる手段として注目されているのが、新型コロナウイルスの治療薬です。アメリカでは、ワクチンとしてエボラ出血熱の治療用に開発された「レムデシビル」を採用しています。
他方、日本では前例のないスピード承認で国内の医療機関で投与ができるようになった軽症者向けの「アビガン」や、重症者向けの「レムデシビル」が特効薬として期待されています。
「レムデシビル」中国は“効果確認できず”
(出典:2020年5月1日 Yahooニュース)
また、中国の研究チームは「レムデシビル」の治験を実施した結果、効果がなかったと発表しています。その論文は、イギリスの医学雑誌に掲載されていますが、中国は独自のワクチンの研究を続けており、その供給を政治的な影響力を拡大するための手段として使う可能性があります。
今後、新型コロナウイルスの特効薬を開発できた国がその供給を独占し、地政学的に強い立場になることは明らかです。例えば、中国が特効薬の開発に成功し、アメリカが中国からの供給に依存する立場に追い込まれると、トランプ大統領でさえ中国に対して強く出ることはできなくなります。
さらに、中国は世界各国へ特効薬を供給することで、「一帯一路政策」を政治・経済的に拡大させようとするはずです。特に、経済活動の再開でこれから新たな感染爆発が起こりかねない欧米諸国では、中国の特効薬独占は自国を中国化させてしまうことになりかねません。
現在、中国やアメリカで新型コロナウイルスのワクチンの開発は急ピッチで進んでおり、中国は「漢方薬」という伝統的な手法で効果を確認しているようです。そして、確認された漢方薬の供給によって、各国への政治的影響力を拡大する動きに出ています。
Traditional Chinese medicine for COVID-19 treatment
(出典:2020年5月 Science Direct)
アメリカの研究雑誌では、すでに査読済みで「中国の伝統的な治療薬(漢方薬)」についての論文が掲載されています。
論文によると、漢方薬を処方された102人の患者では、34%に肺炎の治療効果が見られ、中程度から重症の患者の28%に症状の改善があり、入院期間が平均で2.2日も短縮されたと報じられています。
この論文が発表された後、査読・未査読を含め、漢方薬の効果を証明した論文が多数発表され、世界中にいるたくさんのウイルス研究者や薬学者たちに読まれているということです。
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