コロナ後の世界…パンデミック収束後に訪れる「新世界秩序」とは
(出典:2020年4月7日 現代ビジネス)
今回のテーマは、コロナ収束後の世界情勢についてです。特に、世界秩序の変化から今後の国際関係は危険な動乱期に入る可能性が極めて高いように思います。
新型コロナウイルスが「生物化学兵器」であり、軍産複合体によって仕掛けられたものであることは明らかですが、高温多湿になる6月には一時的に収束することは間違いないものと考えられます。
5月中旬頃から欧米諸国では徐々に都市封鎖を解除し始め、6月には経済活動への規制が大幅に緩和され、7月にはほぼ正常に戻ることが期待されています。しかし、経済成長率が今年1月の水準に戻るには長い時間がかかるわけです。
とは言え、世界中の人々が最悪な時期が過ぎ去ったという一時の安堵感も込み上げて来るものと思われます。ところが、そのような楽観的な数か月を過ごしたとしても、世界的な感染爆発の第二波は必ず襲ってくることになります。
なぜかと言えば、今回のパンデミックによってすでに私たちの社会構造を根本的に変化しており、もはや元の状態に戻ることができなくなっているからです。実は、昨年から新しい社会体制が中国などで始まっているわけです。
いずれにしても、私たちは歴史的な転換点に立たされており、今回の世界的な感染爆発によって引き起こした社会的変化は、もう元には戻れない不可逆的な方向へと進んでいくしかないということです。
そして、この不可逆性は国際関係の力学(パワー・バランス)についても言えることができます。つまり、世界秩序の根本的な配置転換の時期に入ったことで、新しい世界秩序(ニューワールドオーダー)への大変動が始まってしまったことになります。
ペストも新型インフルも…中国はなぜ「パンデミックの震源地」なのか
(出典:2020年4月29日 現代ビジネス)
一体どういうことかと言うと、まずは1991年12月にソビエト連邦が解体され、東側の社会主義圏が崩壊し始めた時から、グローバリゼーションによる経済の拡大過程は始まったことから説明する必要があると思います。
その後、中国や東南アジアなど新興国への製造業のよる生産拠点(工場)移転と、世界中に分散していた物流の拠点をインターネットで結びつけ、効率的に製品やサービスを提供するグローバルな仕組みによって、世界各国の経済は空前の成長率を記録しました。
その成長は、実質的に製造業を捨てた欧米諸国や日本などの先進国の金融産業の投資によって後押しされ、加速していったわけです。そのような状況の中、中国や東南アジアなどの新興国では中間層が増え始め、人々が一般的な日本人よりも裕福になってしまったわけです。
このように、欧米諸国や日本は韓国や中国などの新興国に追い上げられたことで、長い間世界市場を独占していた自動車や家電製品などの耐久消費材の市場シェアを奪われることになりました。
特に、GMやトヨタなどの自動車産業が関連会社を傘下に持つ裾野の広い主力産業であっただけに、製造業の淘汰は数多くの中間層を貧困層にまで落とし、国内外で経済格差の拡大をもたらしました。
このようなグローバルな資本主義バブルによって限界が見えてきたのが、2008年に起きたリーマンショック(世界金融危機)であったわけです。世界の経済成長率(GDP)は、プラス5%台から一気にマイナスにまで下落しました。
<民衆の叫び 世界を覆うデモ>(8)異議 共感、支持に 成蹊大・伊藤昌亮教授に聞く
(出典:2020年1月10日 東京新聞)
そして、欧米諸国を中心に経済格差の拡大に抗議する激しい抗議運動が世界各国で起こるようになりました。例えば、「ウォール街を占拠せよ!」で有名になった「オキュパイ運動」や、アメリカ共和党支持者が結集した「ティーパーティー運動」、ヨーロッパでは「EU離脱運動」などがありました。
そうしたデモや抗議運動の多くは、経済格差と社会的矛盾の拡大の原因となったグローバリゼーションの停止と、国民生活の保護と国民の権利回復を強く求めることになりました。しかし、世界経済は中国政府の大規模な景気刺激策にも後押しされ、翌年の2010年にはプラス3%の経済成長を見せています。
2009年末には、1929年の世界大恐慌を上回る可能性さえ指摘されていた金融危機は、予想以上に速く回復し、2015年には金融危機以前の元の経済成長率に戻っています。
株価大暴落の引き金になったと言われるデリバティブという金融投資も復活し、世界的な投資バブルはこうして再び盛り上がってきたところで、新型コロナウイルスによって3月に再び暴落し始めたということです。
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