アメリカが中国のHuawei(華為技術集団・ファーウェイ)を排除しようとしている理由として、Huaweiが販売しているスマホに「バックドア」という情報盗み出し装置、つまり悪質なウイルス・ソフトが仕組まれているとアメリカが主張していることが挙げられます。
それで、アメリカ政府の持つ軍事データを含めた機密情報が盗まれているかどうかについて、アメリカ政府は証拠付きでITU(国際通信連合)に提出する必要がありますが、おそらくそのような証拠など出てこないと思います。
今後、中国はITU(国際通信連合)という通信の国際機関に提訴し、アメリカとそこで争いことになると考えているようです。しかし、与党のアメリカ共産党は保守政党であることから、国際機関を相手にすることはないと思われます。
それでもアメリカは中国と国際機関の仲裁の中で争うことに従うかもしれません。ITUの他にも、国連にはWTO(世界貿易機構)などがありますが、これらの国際機関の裁判に覇権国アメリカであっても従わねばならないということです。ITUの仲裁機関がすでに動き出していると報道されています。
中国、対日笑顔の下に隠された猛毒の牙
今や、半導体開発の中心部はSEPと呼ばれており、頭脳そのものの特許を巡る米中の激しい主張と反論の弁明をアメリカ政府とHuaweiは、これからITUで争うことになりそうです。アメリカは、5月22日に「Huawei社への取引規制の件は、90日間の猶予期間を与える」と発表しています。
つまり、Huaweiに電子部品を供給しているアメリカのIT企業たちの売り上げが大きく減るのを避けるためであり、国内ではアメリカ政府に対して激しい抗議と要請を行っています。農家に加えてIT企業もトランプ政権に批判しているのがわかります。
一方、中国の習近平主席は突然、5月にレアアース企業を訪問し、次はアメリカとの「レアアース戦争」になることを示唆しているように思います。中国はアメリカに対して次々と手を打っているのがわかります。
衝撃の対米合意案3割破棄「習・劉」が送った105ページ
日経新聞の有料記事ですが、5月5日に中国が「これは戦争だ」と言い出し、「中国への内政干渉」「中国への不平等条約の押しつけ」、そして「中国の国家主権の侵害だ」と、ここから先は持久戦に入っていくことを言い始めています。
この中国の迫力にさすがのトランプ政権も驚き、中国側と12回以上も交渉してきたライトハイザー商務長官やムニューシン財務長官も何でも一人で決めてしまう独裁者のようなトランプ大統領に対して呆れ顔をしています。
1980年代、アメリカは日本を相手に半導体や農産物、そして自動車などの交渉で、円高ドル安にし日本をひどく痛めつけたことがありました。この時から、「日米年次改革要望書」を作成し、日本に対して商業慣習や社会体制を訂正せよ」とアメリカは命令するようになったわけです。
1990年代には、クリントン政権時に日本の金融制度(金融ビッグバン)の改革を要求し、それによって日本の金融市場にアメリカ発の金融商品が持ち込まれることになり、多くの日本人投資家が騙され、現在まで日本国民の富を奪われる仕組みができました。
しかし、日本の失敗から学んでいる中国は アメリカの手に乗ることはなく、トランプ大統領に対して厳しい反論をしています。ここでもアメリカは負ける可能性があります。
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