前回の続きですが、香港から始まった中国の革命は、チベット族や北朝鮮との国境に住む朝鮮族などの地域でも起こる可能性があります。
トランプ大統領の北朝鮮先制攻撃は演技だった――アメリカ前国連大使、新著でトランプ政権の手の内ばらす
まず、その北朝鮮についてですが、北朝鮮情勢は少し落ち着いて見えますが、問題はなくなってはいません。私は、2020年ではないにせよ、金正恩は北朝鮮国民によってクーデターが起き、中国かロシアに亡命することになると考えています。
しかし、中国でも民主化革命が進行するため、中国はこれまでのように北朝鮮を支援することはないかもしれません。私たちは、次々と北朝鮮軍の高官の処刑のニュースを聞くことになり、それがクーデターの兆候になるということです。
今後、中国が革命で民主化することになれば、チベットにも大きな変化が起こるはずです。しかし、これが実現するのは2020年ではなく、さらに時間をかける必要があるのでもう少し先の未来になりそうです。
現在のところ、チベット仏教の最高指導者「ダライ・ラマ14世」は元気ですが、現在84歳というご高齢であることからいつ亡くなっても不思議はありません。チベット仏教では、後継者のダライ・ラマは前任者の生まれ変わりと指名された人物が就きますが、今回はそれはないようです。
つまり、次のダライ・ラマは指名されないということになるのですが、後継者となるダライ・ラマは、現在お住まいのインドで秘密裏に指名されることになるはずです。
亡命から60年、懸念される偽ダライ・ラマの出現
一方、中国共産党は自国に有利なダライ・ラマを指名してきます。これは後々大きな問題の引き金となり、中国のこの動きに抗議したチベット族が中国本土の鉄道網などを攻撃するようなテロが増加する可能性があります。
いずれにしても、中国の民主化は進んでいくしかなく、新しい中国によって広範な自治権が約束されることになると思われます。そして、最終的にはチベットは中国から独立していくということです。
独立後のチベットという国は、現代の主権国家とは異なり、世界的なスピリチュアルセンターのような役割を担うようになると思います。当然、チベット仏教だけではなく、キリスト教やイスラム教など、あらゆる宗教の信者が集まることのできる場所となるわけです。
2020年内ではさすがに時間が足りないので、中国共産党が政権を失い、中国国内で新たな支配者が統治を始める2030年頃の先の未来の話です。私が生きているうちには成就するのではないでしょうか?
今、香港で起っている激しい民主化要求運動は始まりに過ぎず、中国は民主主義革命へと突き進んでいくということです。なぜかと言えば、中国では中流階級(ミドルクラス)ほど危険な階級はないからです。
もし、金融危機が発生すればミドルクラスの人々はたちまち貧困層に陥ることになります。中国共産党がミドルクラスを味方にしたいなら、民主化して革命が起きないようにするしか方法はありません。
しかし、あくまで中国共産党が独裁的に革命を押し通すなら、台湾の国民党のように金持ちを味方にするか、毛沢東のように最底辺の農民を味方にするしかないわけです。
【記者コラム】中国の過去と現在(パート1)
そのような状況の中、アメリカのトランプ政権は、中国のこうした反乱の鎮圧を口実に中国に対して一層厳しい経済制裁を発動するということになりそうです。
最終的に、トランプ大統領は世界各国に貿易面でアメリカを取るのか、それとも中国を取るのかの二者一択を迫り、アメリカと中国の貿易は実質的にゼロとなる可能性もあります。
一方、アメリカの経済制裁で強化されるのがロシアと中国の関係です。アメリカの制裁を受けている中、両国の関係は経済的のみならず軍事的にも強化される方向に向かっているのは明らかです。
|