世論調査から見る最新情勢
(出典:NHK)
アメリカ大統領選挙は、小学校の運動会のように「赤組」と「白組」に分かれた運動会のようです。結局、この世の中は「反」「正」=「合」と二者択一から選ぶしかないわけです。
私たち人類は、いつの間にか「AかB」のどちらかを選ぶようにされてしまっています。特に、権力争いというのはどちらかが勝って生き残り、敗者は権力を失って退場していきます。
反政府運動が続いているタイやベラルーシなど、本当に国内で紛争が起きて決着をつけるようになれば、政治家や王族など権力者同士で殺し合いが行われることもあります。
一方、大衆は両者の権力争いを遠くから眺めるしかなく、勝者の言うことを聞かされる羽目になります。それこそ、支配者と従属者の関係です。実際に、日本でもこのような政治体制が存在しています。決して、自由に満ちた民主主義・資本主義国家ではないわけです。
なぜかと言えば、日本を支配しているのが覇権国アメリカであり、これから支配したいのが中国だからです。この2つの大国は、数年後に国内で分裂していく可能性があります。
私たち日本人が学ぶべきは、大航海時代以降の西洋文明の中で発達した政治学や経済学についてです。アメリカの大学に留学(政治学専攻)した日本人は、西洋の理論(セオリー)と論理(ロジック)を日常生活で経験しています。
私自身、20年以上アメリカで生活し、大学で政治・経済学を学びました。知識や思想を自分の人生の基本に位置づけることで、10年以上もコラムを書き続けることができたわけです。理論(セオリー)と論理(ロジック)というのは、世の中に対してしっかりと主張することです。
オブジェクティビズム(客観主義)
(出典:Wikipedia)
この世で起きている物事に対して、意見を述べることが西洋の近代学問の神髄です。アメリカでは、聖書に次ぐベストセラー「肩をすくめるアトラス」という本で著者のアイン・ランドが表現している「オブジェクティビズム」が代表的です。
日本で言うと、「客観主義」と言います。一応、日本の知識層は知っているかもしれません。日本語で説明すると仏教用語のように、さらに意味がわからなくなってくるのが現状です。キリスト教用語もそうですが、日本語の現代訳に翻訳されてもわからないことはあります。
明治維新直後にヨーロッパ言語を研究していた日本の言語学者は、その一部が欧米諸国に留学し、さらに語学に磨きをかけ、さらにフリーメーソンリーとなって日本に無事帰国していることがわかっています。
帰国後、彼らの多くが政府から依頼された翻訳の仕事をしています。ちなみに、オブジェクティビズムの主張として、
①現実は、意識から独立して存在している。
②人類は、感覚を通じて現実と直接接触している。
③人は、概念形成と帰納的論理を通じて客観的な知識を獲得できる。
④人が生きるための道徳的目的は、自分自身の幸福の追求である。
⑤この道徳を維持するための唯一の社会体制は、個人の権利を最大限に尊重する社会体制であり、具体的には「自由放任資本主義」である。
一体何のことなのか普通の人には理解できないかもしれません。簡単に言えば、「誰にでも質問することができる自由が与えられている」ということです。しかし、その質問に答えない人間が多いのも事実です。
ご飯論法
(出典:Wikipedia)
実際に、菅首相や安倍前首相、加藤官房長官、萩生田文科大臣などは、この論法の使い手であり、質問に真正面から答えず、論点をずらして逃げる」のを得意としています。だから、何も解決することはありません。
政治家だけではなく、役人や銀行員、記者、学校の先生などもこのような論法で本当のことを言わないまま戦後76年も続いてきました。それに対して、日本人の多くがわかったふりをしながら騙されてきたわけです。
要するに、自分の上司だろうが何だろうが「何を言っているのか分からない…」、という正直に反応することだけが正しいということです。反論することは誰にでも出来ることですが、「客観主義」は難しいと思います。
「客観主義」は、欧米諸国での生活が長く、大学などで政治・経済を専攻にした人だけが理解できるようになります。例えば、トランプ大統領がバイデン候補に勝利するのは「なぜか」を説明できるかどうかです。また、東京オリンピックが中止になるのは「なぜか」を説明できるでしょうか?
IOCが中止を正式通知か…東京五輪に「断念&2032年再招致」の仰天プラン浮上
(出典:2020年10月24日 Yahooニュース)
アメリカ大統領選挙についてなら、外国人として客観的に説明できるかもしれませんが、東京オリンピックの中止については、自分が日本人であることで心情的に決めつけにくいと思います。簡単に言えば、決めつけることが「客観主義」です。
ただし、この論法は知識や経験が豊富でなければ使えません。普通の人は菅政権の閣僚のように誤魔化すことしかできないのが「今、本当に起きていること」です。
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