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今回のテーマは、スキャンダルという苦境にあっても支持率を伸ばしているトランプ大統領と、それを強く後押ししている「Ｑアノン」という存在の動きについてです。
今、トランプ大統領は、弾劾裁判も覚悟しなければならない苦境に追い詰められています。ちょうどベトナムで第2回米朝首脳会議が開催中の2月27日、アメリカ下院監視・改革委員会の公聴会で、トランプ大統領の元個人弁護士、コーエン被告がトランプ大統領への厳しい批判を含む不利な証言をしました。
コーエン被告は、トランプは人種差別主義者で詐欺師、そしてペテン師だとして強く罵っており、トランプ大統領の長男のジュニアが2016年の大統領選挙中に対抗馬のヒラリー・クリントンの不利な情報の件で、あるロシア人と会っていたことを事前に知っており、その会談の報告を受けていたことも明らかにしました。
その他、トランプのベトナム戦争時の兵役猶予疑惑や、大統領選に不利になることを恐れ不倫をしていたポルノ女優へも口止め料の支払いなどを証言しています。報告書の公表で、さらに具体的な事実が明らかになることが期待されているわけです。
同時に、アメリカ民主党による弾劾裁判に向けての動きも活発になっており、トランプ大統領による司法妨害や職権乱用の疑惑に関する調査を開始したと発表しました。これは弾劾手続きも視野に入れた動きになりつつあります。
このような状況の中にあり、トランプは明らかに窮地に立たされているように見えますが、不思議とトランプ大統領の支持率は下がるどころか、上昇していることが報道されています。最新調査では、支持率は3％上がって46％になり、不支持率は2％下がって52％となっています。
さらに、共和党支持者の90％以上がトランプの大統領としての仕事ぶりを評価しているとの結果が出ています。2年前の大統領就任以来、熱烈な支持層によってこれまで30～40％の間で支持率が推移しています。
今回の調査で明らかになった46％という支持率というのは、トランプが窮地に立たされながらも、そうした状況にはほとんど左右されない熱狂的な共和党支持層はむしろ増えているようにも見えます。
そして、一昨年までトランプ政権の元主席戦略官であったスティーブ・バノンは、早くも2年後の2020年のアメリカ大統領選挙はトランプ大統領が再選するとの予測を出しています。マスメディアのインタビューに応えており、日本に滞在した間にニュース番組などで語っています。
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具体的に、トランプ大統領の再選を確信する理由として、グローバリズムの放棄と保護主義への回帰を宣言し、それに忠実な政策を実施しているとバノンは語っています。また、貿易不均衡の是正やアメリカの輸出促進を目的にした貿易協定の締結などが明らかになっているといるということです。
こうした政策は、トランプ政権の熱心な支持層とその周辺にいる人々を満足させているものと考えられます。つまり、アメリカ人の多くが生産拠点の海外移転で没落した労働者ということで、トランプ大統領が自分たちの言いたいことを代弁してくれていると理解しています。
トランプ大統領が、こうした「アメリカ・ファースト」の政策を追求する限り、アメリカの労働者層の熱狂的な支持はさらに拡大し、2020年11月実施予定のアメリカ大統領選挙戦では、圧倒的な勝利になる可能性があります。
しかし、バノンはトランプ大統領の再選を予測しつつも、今年2019年にはアメリカ国内で19世紀に起きた南北戦争のような歴史的な戦いが起こるとも語っています。それは、トランプ個人を弾劾し、政権の転換を狙うグローバリストや民主党のリベラル派との戦いということです。
特に、今年は一部で戦場のようになる可能性があり、これが終わると2020年の大統領選挙で無事に再選を果たし、2期目のトランプ政権がスタートするということです。
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