Donald J. Trump@realDonaldTrump
(出典:Twitter:@realDonaldTrump)
現在、「黒人の命は大切だ(Black Lives Matter)」と「息ができない(I can't breaze)」などのプラカードを掲げた抗議運動は、世界中に拡大しています。
特に、アメリカ国内では手がつけられないほど拡大している激しい抗議運動ですが、それに火に油を注ぐツイートをすることで運動を煽っているのが、アメリカのトランプ大統領です。
これまでの歴代大統領は、このように国内が混乱した際に広く国民の連帯を訴えるために、運動のきっかけとなったフロイド氏の死を弔う言葉をかけ、警察官の黒人差別の解消策を打ち出しますが、こうしたものとは正反対となっています。
ツイートの例として、「ドナルド・トランプ大統領日本語訳@Mishimadouさん」の6月4日の翻訳が素晴らしいので引用してみたいと思います。
「MSDNCとCNNのやっとる、偏向しきったフェイク「ニュース」を見ていると全くいやになってしまう。真実や事実とはなんの関係もない。民主党本部の出先であり、NYタイムズやワシントンポストと同じだ。2016年と同じで、さらにひどくなっとる嘆かわしいことだが、それでもわれわれが大勝利するのさ。」
「人殺し、テロリスト、放火魔、アナキスト、暴力団、チンピラ、略奪犯、ANTIFAそのほか、フェイクCNNかMSDNCを見ると、こういう連中が世界一親切で善良な人たちみたいだな。とんでもない話で、あいつらは所詮あいつらだ。わが国の害悪なのである。」
ドナルド・トランプ大統領 日本語訳
(出典:Twitter:@Mishimadou)
トランプ大統領のツイートは、フロイド氏の死を弔い、問題の解消を約束するものではなく、むしろ暴徒化した抗議運動を批判し、米軍の投入を仄めかすものがほとんどです。当然、抗議している国民の反感を買い、運動の過激化を煽る結果となっています。
一方、日本のマスメディアの論調では、トランプ大統領がこのように火に油を注ぐようなツイートをしている理由は、今も彼の性格にあると分析しています。しかし、実はそうではないことは3年前から明らかです。
少しは考えている日本の新聞記者や自称・評論家であっても、「トランプ大統領は11月の大統領選挙を意識し、自身の支持層をさらに結束させるためにこのようなツイートを意図的に繰り返している」、とコメントしています。
トランプ大統領を支持する典型的な人物像は、アメリカを国際金融資本に売り渡し、社会主義国家にすることを計画している「ディープステート」に抵抗し、手下の米民主党議員には投票しないという人たちです。
最新調査で分かった、アメリカで最も信用されている/信用されていないニュースメディア
(出典:2019年4月11日 BUSINESS INSIDER)
トランプ大統領の支持者たちは、新型コロナウイルスはインフルエンザ程度の毒性しかないのに、民主党所属の州知事たちが都市封鎖(ロックダウン)を実施し、経済を停止させて国民の自由を奪ったと考えています。当然、トランプ大統領が言うように、「新型コロナウイルスはフェイク」と思っています。
また、ジョージ・フロイド氏の死で盛り上がった抗議運動を扇動し、破壊的な方向に誘導しているのがCNNやニューヨークタイムズなどの報道機関であり、「トランプ大統領の支持率を引き下げようとしている」と考えています。
そして、トランプ大統領こそディープステートを解体し、アメリカを国民の手に取り戻すための真のリーダーと信じているわけです。彼らの多くは、トランプ大統領を応援して革命を起こす必要があると本気で考えています。
これがトランプ大統領を支持する人たちの概念であり、全米で拡大している抗議運動は、民主党が11月の大統領選挙で勝利するために仕掛けたもので、抗議デモや暴動を取り締まる必要がある、とも考えているようです。
抗議デモや暴動の取り締まりを要求するトランプ大統領のツイートは、完全に支持層の概念と一致していることがわかります。トランプ大統領がこのようなツイートをすればするほど、支持する人が団結することになるということです。
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