香港の学生たちは、自分でもよく分からないまま誰かに吹き込まれた「香港を中共から守れ、香港の民主化、香港の独立」という政治スローガンを口先で繰り返しているだけになっています。
以下の動画は、香港のテレビ局で報道された学生リーダーへのインタビュー番組ですが、そのことがよく分かると思います。
香港の学生たちは、明らかにグローバリストたちの支援と指導を受けて、完全に洗脳されているように思うわけです。今や、香港の街そのものを破壊するためのゲリラ暴動のようになりつつあります。
実際に、香港経済全体に影響は及んできており、まず観光客が減ったために飛行機のチケット代やホテル代が30%以上も安く、ネット上で売られるようになりました。香港内の企業や銀行、学校などは通常運営されているようです。
番組では、洗脳された学生たちは、「香港の自由を守るため」、「香港独立のため」という理由で暴力行為も「理解できる行動(can understand )」として正当化しています。つまり、中国政府が「逃亡犯条例」を撤回させる話からズレてしまっているわけです。
しかし、本人たちは自己矛盾を起こしていることには気づいておらず、暴力行為を正当化する理屈だけを頼りに日々、新学期の授業をボイコットしてまで学生デモを行っています。中には、中学生までデモに駆り出されているケースもあるようです。
また、デモで大暴れする若者たちの中には香港大学や香港中文大学など名門大学を卒業したエリートも少なくなく、その彼らですら香港の現状に絶望し、自暴自棄になりつつあると報道されています。
香港デモの若者を市民は見放しつつある
ようやく大企業に入社でき、一生飲まず食わずで働いても地価世界一の香港ではマンション一つ買うこともできない現実があります。さらに、香港の大企業はそのほとんどが中国とのビジネスを有利に運ぶために共産党幹部の子弟を役員などに招き入れているようです。
香港生まれのエリートたちが、目指していたポストも共産党員に占領され、「こんな香港ならぶっ壊してやる」と大暴れしているということです。
デモの発端であった「逃亡犯条例」は、平和な香港市民による要求通りに完全に撤回されました。この後、次のステップとして、香港政府行政長官と香港市民による、民主的な話し合いを行う予定であったのが、未だに硬直状態が続いています。
今、香港の警察官が襲撃されたり、公共の交通機関などを狙った破壊テロ行為が続けられていますが、それでも中国政府は静観しています。つまり、中国とアメリカ(イギリス)の覇権争いという意味で考えると、今回は中国が勝ったことは明らかです。
香港という地域は、歴史的にも特別な都市国家で、イギリス政府と中国政府の両方に守られている特殊な金融特区でもあります。
10月にもEU(欧州連合)離脱を実施予定のイギリスは、これまで巨額の資金をアジア諸国へ動かすための窓口として香港を使ってきました。一方、中国政府が目指しているのは香港の中国化ではなく、中国の香港化です。
厳密に言えば、香港化ではなく「シンガポール化」となのですが、最終的には「明るい北朝鮮」にしたいのが中国政府(共産党)の目指すイメージであるように思います。
中国政府にとって、1デモ参加者を一網打尽にすることは現実的ではなく、香港警察が一部の先鋭化した集団を逮捕、拘束することはできるわけです。それでも鎮圧できないのであれば、境界に隣接する深センに結集した武装警察隊と人民解放軍に応援を求めるだけのことです。
香港の一般市民の間に今、中国政府の軍事介入を非難せず、歓迎する雰囲気が徐々に醸成されていることに注視するべきです。
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