トランプ大統領であっても、イランとの戦争は避けられない状況にいます。軍産複合体が大量に在庫を抱える、すでに期限切れのミサイルを消費することが決定したということです。
いわゆる「戦争刺激経済」によって、ニューヨークのウォール街にある投資銀行やヘッジファンドをボラティリティーを動かして儲けさせなければならないわけです。つまり、この2つの勢力を同時に満足させるには、嫌でもイランとの戦争に踏み込むしかないということです。
いよいよ、脅しだけでは経済がもたなくなってきており、トランプ政権は重い腰を上げるしかありません。一方、アメリカ国民のほとんどは、実は原理主義的で戦争好きであるため、敵を倒す英雄を待ち望んでいます。
そして、2020年11月のアメリカ大統領選でトランプ大統領が再選するためには、不倶戴天の敵であるイランに勝つ必要があるというわけです。まるでローマ皇帝のようなメンタリティーではありますが、西洋文明はこの2000年間、何も進歩していないことがわかるはずです。
このように、西洋文明が2000年も同じことを繰り返している中、トランプ大統領やまともな政治家たちや個人はこのような手口を使いたがらないようです。ところが、戦争を仕掛けないとアメリカ国民の大部分が許さないわけです。
だからこそ、プロレスのような八百長試合をするしかなく、イランの田舎にミサイルを発射し、マスメディアにはその成果を報道してもらうしかありません。そして、いつも血を流すのは現地で暮らしている罪のない一般人であるということです。
基本的に、アメリカ人というのは、頭の中は騎兵隊と西部劇のイメージから何も変わらないままで、「アメリカン・ヒーロー」を求めています。アメリカの大統領で居続けるためには、クリント・イーストウッド気取りの傲慢な西部劇役者をするしかないのでしょう。
現代の戦争というのは、軍事テクノロジーがイラク戦争時とは全く異なり、先に数発のミサイルを命中させるだけで勝敗がついてしまうほど強力な兵器を保有しています。
しかし、現在のテクノロジーでは音速で飛んでくるミサイルは迎撃が可能ですが、超音速ミサイルにはまだ対応できていません。なぜかと言えば、機関砲やレーザー砲の射程外から着弾までの時間が短すぎるため、砲身を連続的にリロードする時間がないからです。
例えば、北朝鮮が何度も発射させた弾道ミサイルは、超音速ミサイル(マッハ6以上)もあることから、アメリカやロシアでも撃ち落とすことは不可能であると言われています。この弾道ミサイルが、最初に使われそうなのがイランとの戦争か、次の中国と台湾との戦争です。
各国では、これを密かに実験しており、もし中国が最新弾道ミサイルの制御部品をイランに貸し出したら、アメリカの巨大空母であっても1発だけで確実に沈むので、ホルムズ海峡を守ろうとする国がなくなり、世界秩序が変わるのは明らかです。
江戸時代に日本の浦賀にペリーが率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊の蒸気船2隻を含む艦船4隻が来航しましたが、アメリカはその時から巨大戦艦による砲艦外交をゴリ押ししてきてきました。ところが、いよいよ弾道ミサイルによってその砲艦外交が終焉を迎える可能性があります。
アメリカは、イランや北朝鮮などの弱小国相手には空母を使いますが、ロシアや中国のような軍事大国相手には原子力潜水艦を使う傾向があります。なぜなら、軍事大国同士の戦争では海上ではお互いに簡単に攻撃することができるからです。
アメリカやイギリスの砲艦外交はそろそろ終焉を迎えそうですが、西洋文明には同じ勝ちパターンにしがみつかざるを得ない約600年の成功体験の積み重ねがあります。しかし、第2次世界大戦で日本が敗北して以来、今度は東洋文明の番が勝利することになりそうです。
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