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超富裕層のリバタリアンと民兵組織のリバタリアンの関係

更新日 2021年1月16日

 

トランプ氏、選挙候補支援めぐり富豪コーク兄弟を非難
2018年8月1日 THE WALL STREET JOURNALのリンク画像です。

(出典:2018年8月1日 THE WALL STREET JOURNAL)

 

2017年1月、アメリカ大統領に就任したトランプ大統領は、自由貿易を強く主張したことで関税ゼロやと移民規制に反対する超富豪のコーク家はトランプとの関係を解消しています。しかし、コーク家は共和党への巨額の献金は継続されています。

 

昨年のアメリカ大統領選挙でトランプに献金した人物のリストを見ると、金融業やエネルギー産業、不動産業が大口の献金者ですが、金額が最も多いのが金融機関の「メロン・フィナンシャル」です。

 

ティモシー・メロン会長は、共和党に3000万ドルを寄付しており、トランプには1000万ドルを献金しています。「メロン財閥」は、コーク家と同じく小説家アイン・ランドが描いた「リバタリニズム」を信じています。

 

つまり、「政府をなくし、社会全体を規制のない純粋な市場原理で運営する」と強く主張をしている人物です。また、キリスト教の精神を復活させることによってアメリカ社会を再構築させる必要がある、などとも主張しています。

 

結局、共和党は政府からの規制のない、市場原理の社会実現を主張する超富裕層たちに乗っ取られてしまっているように見えます。実は、ディープステートというのはコーク家やメロン財閥などの「リバタリアン」や「共産主義者」たちが牛耳っているということです。

 

バイデンに勝利をもたらした都市生活者たちの〈アクシデンタル・ソリダリティ〉
2020年11月26日 WIREDのリンク画像です。

(出典:2020年11月26日 WIRED)

 

超富裕層のリバタリアンだけではなく、民衆の中にも大勢のリバタリアンがいることがわかっています。リバタリニズムは、アメリカの中間層や貧困層などの社会階層でも政府の介入を拒否したり、政治や経済なども地域ごとに運営することを主張する思想があります。

 

このようなタイプのリバタリアンは、トランプを支持する民兵組織「ミリシア」や「プラウドボーイズ」に所属し、ディープステートに対して銃などで武装し、自身の共同体やトランプ支持者たちを守るような言動を繰り返しています。

 

彼らは、共同体の権利を脅かす民主党やバイデン政権を認めず、基本的に移民やキリスト教徒以外の信仰者を排除しています。中には、キリスト教の精神に基づく白人だけの社会構築を目指す「白人至上主義者」や、聖書に忠実に基づいた社会を追求する福音派ともつながっています。

 

どちらのリバタリアンも、大きな権力を持つ政府の存在を脅威と考え、それに抵抗するという共通点があります。しかし、超富裕層のリバタリアンは、企業活動への一切の規制のない自由市場の実現を目指しています。

 

こうした違いはありますが、超富裕層のリバタリアンはミリシアなどの武装集団や白人至上主義者たちを利用しています。どこの国でも、資金の流れを探っていくと、こうした関係がはっきりと見えてくるものです。

 

右翼でも左翼でもない「自由至上主義」のリバタリアンが気づかぬ限界
2019年6月5日 現代ビジネスのリンク画像です。

(出典:2019年6月5日 現代ビジネス)

 

例えば、ある財団では超富裕層から得た献金を、リバタリアンや保守系の団体に資金提供しています。実は、献金者の名前を公表する法的な義務はないですが、大手ヘッジファンドが立ち上げた財団もあります。

 

また、アメリカ3大ビールの一つ「クアーズ」創業者が設立した財団は、いわゆる「ヘイトグループ」と呼ばれるイスラム教徒を非難する団体や反LGBT団体、さらに白人至上主義の団体にも献金しているわけです。

 

トランプ政権の1期目は、人種差別を行う白人至上主義者や移民を排斥するヘイトグループ、そして白人だけで自己防衛をする武装組織など、どちらかと言うとこれまで政治の主流から排除されてきた過激な集団や組織が一斉に現れました。

 

当然、彼らは全員トランプの支持者であり、アメリカ国民の多くがこのことに強い違和感を感じたと思います。8年間のオバマ政権時にはなかったことが起きましたが、次の4年はさらに激しい活動が行われるものと思います。

 

大統領をも操るスーパーリッチたち……「繁栄のためのアメリカ人の会」とコーク兄弟
2020年3月5日 zuu onlineのリンク画像です。

(出典:2020年3月5日 zuu online)

 

2009年に起きた「ティーパーティー運動」は、2017年にトランプ政権が始まった途端になりを潜め、その代わりにヘイトグループが現れたということです。

 

ティーパーティー運動は、コーク家が巨額の資金を提供して始まった社会運動ですが、全米各地に運動拠点を起き、そこに訓練されたプロの運動員(活動家)に民主党政権の打倒を展開したこと明らかになっています。

 

1月20日はアメリカ大統領の就任式ですが、ディープステート側のテロ集団「アンティファ」や「BLM」とトランプを支持する武装組織「ミリシア」や「プラウドボーイズ」による武力衝突にも注意が必要です。

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