アメリカのシンクタンクが世界を動かす力を持つ理由
前回の続きですが、2020年以降が安定期に入るという根拠として考えられるのが、AI(人工知能)や5G、ビッグデータ、そしてブロックチェーンを中心とした最新テクノロジーの導入です。
まず、世界金融危機が起きた2008年以前の各国政府の危機管理能力と現代のを比較してみると、雲泥の差があるのは明らかです。例えば、経済や金融の分野では政府による分析能力が飛躍的に進んでいます。
想定超えたリーマン・ショック=日銀、「恐慌」阻止へ苦悩-08年下半期議事録
今や、5年後の金融危機や自然災害、戦争の発生を予測し、問題に対処できるようになりつつあります。それは市場のビッグデータをAIが解析し、人々がパニックに陥る予兆を把握したり、金融市場の動向をAIが監視しているため、破綻の時期を予測することができるようになりました。
例えば、世界中の企業が購入している危険な企業ローン(CLO)の破綻や、ヨーロッパ最大手のドイツ銀行が抱える7500兆円もの負債が返せないことによる経営破綻、そして金融市場のパニックによって世界金融危機の引き金になると考えられている問題も、危機を最小限にするように十分に管理されており、これらが危機の原因となることはないのかもしれません。
そして、さらに注目すべきは最新テクノロジーを適用するようことで高度な社会管理が可能となり、それが社会の安定を実現することです。
つまり、高度なテクノロジーの活用によって人々の不満や不安、ストレスなど社会を不安定にさせる要因を発見し、それを社会政策で対応することによって、国民の不満が臨界点を越えて拡大することを早期に抑止してしまうという仕組みです。
このような高度な社会管理を実現させる仕組みを各国政府が導入するようになれば、世界経済は長期的に安定していくものと考えられます。しかし、一体どのような仕組みなのかを世界の誰も説明できていない現状があります。
実際に、AIとブロックチェーン、IoTの組み合わせは医療や物流などですでに運用されています。個人の病歴や受診記録の電子化は徐々に進んでいますが、これをブロックチェーンで一括管理することで個人の健康に関するすべてのデータが安全に記録できるわけです。
Microsoft Helping Firms to Trust AI using Blockchain (マイクロソフト社は、ブロックチェーンで信頼性を高めた人工知能を開発)
この記録を必要とするあらゆる医療機関がこれを参照できるようになれば、個人の病歴や治療記録が全ての病院で共有されることになります。また、患者の許可さえあれば医療の個人データを研究者が参考にし、新しい治療法や医薬品の研究を進めることができるようになります。
すでにこうしたプロジェクトは欧米諸国にありますが、医療分野だけではなく、自動車メーカーや保険会社、学校教育や語学スクールなど、あらゆる分野で画期的なプロジェクトを進めることができるということです。
近い将来、自動車メーカーは購入者の個人情報をブロックチェーンに記録し、ビッグデータをAIAIに分析させ、個人的にカスタマイズされた車を開発できるようになり、医療機関では病気の治療記録をブロックチェーンで管理することもできるようになります。
さらに、語学スクールなどは個人の上達レベルをブロックチェーンに記録し、弱点などを克服するために完全にカスタマイズされたマンツーマンレッスンを受けることができるようになります。実は、Atlasマンツーマンではそのためのプロジェクトを立ち上げています。
世界の常識になりつつあるAtlasマンツーマン英会話のシェアリング・エコノミー
今、分かっていることはブロックチェーンにAIを内蔵させることができることです。そして、AIはブロックチェーンが管理しているデータを的確に分析し、様々な予測を提供することができるようになるわけです。
例えば、英語学習のブロックチェーンにAIを内蔵させると、特定の個人の学習記録やレッスン履歴、そして日常での会話記録を分析し、将来的に自由に英語を使えるようになる時期を予測することができるようになります。
今、こうした現象は私たちの目の前で進行しており、あと数週間で訪れる2020年からはさらに社会の流動性が激しくなるとこのコラムでは予測してきました。北朝鮮やイラン、中国はアメリカと激しく対立し、これが戦争や世界金融危機を引き起こす可能性があるということです。
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