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ウクライナ反転攻勢の前線ルポ 奪還した集落に住人の姿なし
 (出典:2023年6月14日 BBC)
西側メディアでは、以前からウクライナの反転攻勢について報道されていましたが、ロシア軍が占領した南部と東部にウクライナ軍が向かっているようです。
当然、日本を含め西側メディアの報道内容はウクライナ側に有利なものばかりで、ほとんど参考になりません。だから、現地で独自に取材している人たちの発信する情報を、英語やその他の外国語で得るしかありません。
しかし、ウクライナ軍の領土奪還は進んでおらず、すでにロシア軍が撤退しているか、撃退されているとの報道もあります。南部では、激しい戦闘で領土の奪還と退却が続いています。また、ロシア軍は激戦地バフムートを占領した後、ウクライナ軍が再び奪還する動きに出ています。
【解説】ウクライナの反転攻勢、どうなれば成功なのか
 (出典:2023年6月13日 BBC)
そもそも、西側メディアによる「反転攻勢」の定義がよくわからないのが現状です。ロシア軍が撤退した地域を発見することだったり、食糧や武器弾薬などの補給地点を攻撃することも含め、少しでもウクライナ軍に有利なことはポジティブに報道されています。
一方、ロシア国営メディア(RTやスプートニクス)では、「南部と東部でウクライナ軍の反転攻勢が始まった…」、との声明を出していますがウクライナ軍の死傷者数のほうが圧倒的に多いことも発表しています。
日本を含め西側のメディアでは、ロシア軍のこうした発表はほとんど報道されていませんが、相変わらず「ロシア側のプロパガンダ…」と決めつける論調によって、ウクライナ戦争が長引く一つの原因になっているように思います。
他方、現地で取材する独立系の軍事ジャーナリストたちは、実際の戦況を確認したり、テレグラムなどSNSで現地にいる部隊が投稿している動画や画像の内容と一致しているかどうかを確認しています。
テレグラムには、ドイツ製のレオポルド2やイギリス製のチャレンジャー1、そしてアメリカ製のブラッドレー歩兵戦車が破壊されている動画や画像が数多くアップされています。西側諸国からウクライナに供与された戦車の数は約300車両ですが、おそらくすでに100車両が使い物にならなくなっていると思われます。
この1年半、日本のメディアはロシア経済が破綻寸前だとか、プーチンが病気でロシア軍は兵力不足と嘘を並べてきましたが、間違った報道内容を訂正したり、謝罪することは一度もありません。要するに、日本国民にとって政府やメディアこそ敵そのものです。
Ukraine colonel dismisses reports that Russians are poorly equipped as 'more TikTok propaganda than reality'
 (出典:2023年5月22日 BUSINESS INSIDER)
そのような状況の中、ロシア人の装備が不十分だとの報道を「現実よりもTikTokのプロパガンダだ」と一蹴、という報道記事が出ました。記事は、激戦地バフムートの前線で戦っているウクライナ軍のビレツキー大佐の証言を紹介しています。
証言によると、ロシア軍のミサイルとドローン攻撃の回数は安定しており、兵器や兵力不足に陥っているとは思えない、ということです。そして先日、南部ケルソン州の水力発電施設である「カホフカダム」が爆破された、と大きなニュースになりました。
ウクライナ軍がダム爆破、「新たなテロ犯罪」 ロシア国防相が非難
 (出典:2023年6月7日 Reuters)
カホフカダム決壊についてウクライナ国防次官 ロシア側が意図的に破壊したとの見解示す
 (出典:2023年6月12日 Yahooニュース)
具体的には、ダムが決壊したことでドニエプル川周辺の住宅街が浸水し、多くの住民が避難したということです。西側メディアは、「ロシアが破壊した」というニュアンスで報道していますが、ダム周辺はロシアが占領している地域でした。
「ウクライナ軍の侵入を阻止する目的でロシアがダムを破壊した…」と日本のテレビ局や新聞各社は報道していますが、橋が破壊されて困るのはロシア軍のほうであり、今回もウクライナ軍が破壊したのは間違いありません。
実際に、ウクライナ軍はカホフカダムを何度もミサイル攻撃をしており、ロシア政府はダムの決壊の危険性について何度も警告していました。昨年9月、ロシアとドイツを結ぶガスパイプラインが爆破されたのと同じパターンであるように見えてきます。
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