【解説】中国と台湾の関係、すごく分かりやすく説明
(出典:2022年8月4日 BBC)
前回、「主義主張の違いで民族が大移動する」という話を書きました。これからユーラシア大陸やアメリカ大陸のような地続きでは、それぞれ自分の住みたい場所に移住する光景が広がっていくと思われます。
まずは戦争で引き裂かれたウクライナの東部と西部で起き始めていますが、11月に中間選挙を控えたアメリカでも同じようなことが起きています。本物の愛国者はテキサス州やフロリダ州など南部に移住し、LGBTQなどはそのままカリフォルニア州やニューヨーク州に留まるわけです。
一方、ほとんど同じ民族が集まり、しかも島国である日本では、欧米で起きているような動きは見られません。なぜかと言えば、そこまで主義主張を持っているわけではないからです。しかし、明らかにワクチン接種者と非接種者の価値観は異なります。
日本では、全国どの街に行っても同じ全国チェーンの飲食店やコンビニ、アパレル、携帯3社、自動車ディーラーが国道沿いに立ち並んでいます。大都市の主要ターミナル付近でも、牛丼や大手英会話スクールのフランチャイズチェーンが集まっています。
どれも自民党や公明党議員と協力し、既得利権を分配して組織を巨大化してきたことがわかります。しかし、「今住んでいる地域が嫌だから田舎に移住する…」という考えはほとんどありません。道内の人たちは、相変わらず仕事やパートナーを探しに東京や札幌に入ってきます。
そもそも、日本が島国であると自覚している人たちはどれほどいるのでしょうか?中国やロシアも、海があるから日本にそう簡単には侵攻できないのが現状です。中国人や韓国人のように、政治や宗教観が合わないのでアメリカに移住する、という考えは思い浮かびもしません。
インドの人口来年世界最多に 中国を上回る推計を国連が発表
(出典:2022年7月12日 NHK NEWS WEB)
例えば、キリスト教徒とイスラム教徒が一緒に暮らしている中東やアフリカ諸国では、民族(宗教)紛争が起きることもあります。ヒンドゥー教徒の多いインドでも、イスラム教徒たちが北西部に徒歩で大移動してパキスタンが建国されています。
今や世界5位の2億2000万人の人口を抱えるパキスタンには、人々が家財道具をリアカーに乗せて引っ張って移動してきました。それに対して、北西部に住んでいたヒンドゥー教徒は道路の反対方向からインドに向かって歩いて移動してきたわけです。
インドの人口は14億人を超え、中国の人口を抜いてもまだまだ増える可能性があります。あれだけの人口と宗教が複数存在していると、再びの宗教対立は避けられなくなります。このことは、ロシア正教会(東部)とカトリック教徒(西部)が混在しているウクライナでも同じです。
だから、東部の人たちはロシア傘下に、西部の人たちはポーランド傘下に入ってお互いに守りに入ろうとするわけです。他方、アメリカでは宗教対立というよりも主義主張の違いで南部と北部に分断されることになりそうです。
分断で住民の奪い合いも?激化するアメリカの「州間格差」
(出典:2022年8月13日 Wedge ONLINE)
明治維新の少し前に起きたアメリカ南北戦争では、アメリカ人同士で戦闘が繰り広げられました。しかし、いくら銃社会のアメリカでも民主党員と共和党員がお互いに撃ち合いになることはないと思います。
州ごとにレッドステート(保守)に加盟するのか、それともブルーステート(リベラル)に加盟するのかを投票で決め、今自分が住んでいる州が嫌だったら一定期間は簡単に移住できるようにし、後から州境に検問所を設置するかもしれません。
そうなると州ごとに政府が違うので法律も違い、使用する紙幣も変わってくるのではないでしょうか?つまり、カリフォルニア州では現在の100ドル札を継続して使用しても、テキサス州ではトランプの顔が印刷された新100ドル札が発行されるということです。
問題は、日本円がレッドとブルーのどちらとペッグされるかということです。現在、1ドル=135円台ですが、これはバイデン政権側というか、グローバリスト側、要するにブルーステートとの為替レートです。
アメリカの教会で台湾人が台湾人を襲撃した理由
(出典:2022年5月25日 東洋経済ONLINE)
近い将来、アメリカが南北に分裂した場合、為替レートは1ドル=10円にまで円高が進む可能性があります。似たようなことは中国国内でも起きる可能性が高く、すでに多くの香港人や台湾人は海外に移住しています。
台湾の人口は2400万人ですが、そのうちの5%は親戚が住んでいるカリフォルニア州やオレゴン州、ワシントン州などアメリカ西海岸に移住することが予想されます。彼らは、中国軍が侵攻してくるから逃げるわけではありません。
どうしても、中国共産党には従いたくないということです。不動産バブルが崩壊した中国では、台湾へ軍事侵攻する余裕などもうありません。同じ民族で宗教もほとんど同じ中国人と台湾人は、お互いに戦争する気はなさそうです。
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