今、上海や北京などの大都市では、日本人滞在者が先を争うようにして帰国しているという公開情報があります。
上海で異変、日本人がどんどん逃げ出している!社会の急変に危機感? 先を争うように脱出する日本人居住者たち
当然、中国の不動産バブルは危険水域を超えており、いつ崩壊してもおかしくない状況にあります。しかし、その結果暴動が起きたとしても、中国のような共産主義の国では圧政によって市民を犠牲にしてでも暴動を鎮圧することがあります。
日本人滞在者が帰国している本当の理由というのは、中国14億人を格付けする社会信用システムがいよいよ始まるからです。
上海では、最近、「人民有信仰国家有力量 民族有希望」という共産党のスローガンが街中の至るところで見られるようになっているようです。こうした不気味なスローガンから、上海滞在歴が長い日本人ほど、中国の未来に不安を感じているというわけです。
2000年頃から、急成長にあった中国市場を目指し、長く上海に滞在したものの、2019年からは中国全土で自由が奪われてしまうことを直感した日本人が、先を争うようにして中国からの脱出を図りつつあるということです。
外務省の海外在留邦人数調査統計によれば、上海の在留邦人は2007年の47,731人をピークにその後は減少し続け、10年後の現在では4000人ほど減少したと公表しています。しかし、人間格付けによる社会信用システムが本格化する頃になれば、一気に流出することが考えられます。
例えば、街中に無数に設置された監視カメラによってちょっとした違反でも証拠を握られるため、様々な場所で減点されていくと、人間格付けのポイント数が減らされ、航空券の発券が制限されたり、子どもの進学先が選べなくなったりと様々な制限を受けることになるというわけです。
社会信用システムは、上海以外の大都市でも導入が進められており、スローガンに書いているような「より良い社会を創造するため」ではなく、中国共産党が統治を強化する目的で使われ、一党独裁体制をさらに強くするために導入されるはずです。
具体的に、中国共産党が考えるような、いわゆる良い子になれば、優良市民として格付けがランクアップされ、それ相当の特権が付与されることになります。逆に、政府に反抗的な態度を少しでも見せると、買ったり売ったりすることも自由にできなくなってしまうかもしれません。
「中国版1984」は、これまで人命が軽視されてきた歴史の中で生きてきた中国国民は、そもそも民主主義に対する感受性が弱く、これから本当に共産党の圧政が始まったとしても気にも留めないと思われます。しかし、中国在住の日本人は気を付ける必要があります。
今後、下手をすると格付けの低い日本人滞在者は、国外脱出さえできなくなり、中国国内に足止めされてしまうことも起きる可能性があります。決して考え過ぎなどではなく、中国政府による監視社会の到来はすでに起こっているということです。
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