今回テーマは、緊張が高まるアメリカとイランの情勢についてです。米軍によるイラン攻撃への空爆はないという予測には変化はないものの、情勢は急速に緊張しています。
いつものように、日本のマスメディアでは報道されていない事実も多く、同時に起きている米中貿易戦争の激化やイギリスのEU離脱失敗についても本当のことは表に出ないというのが現状です。
実際に、トランプ政権は下院議会で非公開の説明を行い、イランを攻撃することが目的ではなく、イランを抑止することが目標だと述べ、イラン攻撃の懸念を払拭しようとしています。トランプ政権の目的は、あくまでイランを交渉の場につかせることであり、戦争が目的ではないということです。
しかし、そのようなトランプ政権の意向にもかかわらず、イランに対する攻撃的な姿勢は次第に強まっており、サウジアラビアやアメリカに対する一連の攻撃がイランの指示で行われた可能性が高いとトランプ政権は見ていると思われます。
13日にアラブ首長国連邦が攻撃を受けたことや、サウジアラビアの原油タンカーへの攻撃、翌14日のサウジアラビア中部の石油パイプライン施設に対するドローン攻撃など、その後も謎の攻撃がありました。
また、19日にはイラクの首都バグダッドにあるアメリカ大使館内の厳重な警備が敷かれているグリーン・ゾーンに何者かがロケット弾を撃ち込まれたという報道がありました。翌20日にもイランの支援を受けるイエメンの武装組織が発射したミサイルを、サウジアラビア軍が迎撃し、撃退したとも報じられています。
さらに、CIAによるとイランが小型船に弾道ミサイルを取り付けているとしているものの、イランは否定していることから、トランプ政権はこれらの攻撃はイランに支援された武装勢力がイランの指示で行ったという疑念を強め、イランに対しては軍事力攻撃も辞さない姿勢を明確にしています。
「アメリカと戦う気なら、イランは正式に終わりだ」、「2度とアメリカを脅迫するな」などとトランプ大統領は地震のアカウントからツイートしています。
トランプ政権によると、サウジアラビアのタンカーやパイプラインの攻撃は、イランに支援されたイエメン民兵組織によるもので、バグダットの攻撃はイラクのイランに支援された民兵組織の仕業であると述べています。
アメリカのこうした強硬な姿勢に対抗するように、イランは低濃縮ウランの製造量を増やすと発表し、低濃縮ウランの貯蔵量が核合意で定められた300キロの上限を超える、と警告しています。これはフランスや中国など、アメリカの核合意離脱に反発する外国に介入を要求するサインだと見られています。
一方、こうした攻撃がイランと戦争を始める口実を作りたいトランプ政権による自作自演ではないのか、という疑念があります。例えば、欧米のシンクタンクのレポートを読んでいても、トランプ政権が仕掛けたイランを戦争に引き込むための自作自演だとの見方を示しています。
アメリカが主導するIS殲滅作戦(イスラム国)に参加しているイギリス軍も、今のところイラクやシリアではイランやイランが支援する勢力による攻撃の危険性はないと明言し、一連の攻撃がイランの勢力によるものではないことを述べています。
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