米ロッキード、10年以内に小型核融合炉実用化へ
このロイターの記事は、ちょうど5年前に報じられていますが、ついに、アメリカの様子が変わり始めました。今まで認めていなかった最新技術を次々と特許公開しています。
特許申請というのは、単にビジネスという意味ではなく、産業育成の方法でもあります。論文は、発表した時点で完全無償ですが、特許は利得を得ることができるようになります。つまり、金儲けと連動される方法です。
そうすると有り余った潤沢な資金を持ってはいても、一体何をしたらいいかのかわからない資本家に対して、投資してもらえるようになります。これこそが、典型的な産業育成であるということです。
これまで、米軍やDARPA(国防計画局)はインターネットやGPS、携帯電話などの技術を開発し、特許を取ってきました。アメリカは、「最新技術を制した者が世界の富を制する」ということを知っているわけです。
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石油や天然ガスなどの化石燃料を使った技術は、ようやく新興国を中心に技術的に追いついた感があり、そろそろ全く新しい新エネルギーを表に出すことにしたというわけです。
とは言え、知識だけを発表したところで何も変わらないため、産業を育成することで人類の生き方そのものを変えようとするわけです。要するに、核融合炉のデータ分を公開して新しい社会を創っていく、ということです。
当然、中国やロシアでもこの2つの技術の開発を進めていますが、いつものようにアメリカは正面から公開していく、という正攻法を展開しています。それは、西洋文明の原理で中国流の正義を否定したことにもなります。
一方、日本のトヨタ自動車もハイブリッド・システムの特許を放棄し、日本企業に資本と技術を供給してリチウム電池や最新の「全固体電池技術」で生き残りを図ろうとしています。未だにアメリカの占領下にある日本は、常温核融合とUFO技術は許されなかったということです。
結局、私たち人間は、あらゆる位相で協力して働きながら生きているため、他者を助けなければ自分も生き残れないという世界にいるわけです。そして、どのように助けるかが勝負になってきます。
この約500年間、西洋文明(欧米諸国)が世界をリードしてきたのは、公開と秘密のバランスを取る「弁証論」という手法であることは明らかです。実際に、中国やアラブ諸国では情報を公開し、さらに民主化して全国民の知恵を動員することができなかったわけです。
それに対して、アメリカは能力が高い人材を認め、より良い環境で研究できる場を与えることと、情報を世に公開することで世界覇権国としての地位を築いてきました。ここが日本とは正反対であることがわかります。
アメリカの場合、生活環境の悪い地域からでも有能な人材が生まれてくる理由として考えられるのは、小学校・中学校での無償教育です。教育という社会保障というのは、多様性維持のためにあることがすでに判明しています。
そこを日本の政治家や官僚、大企業の幹部たちは全く理解していないのが現状です。長年、これまで彼らがやってきたのは国の体制(財源、人事など)にしがみつくだけであったということです。
ところが、ようやく中国やロシアが日本を追い上げてきたことで、再び日本の政治体制は150年前の明治維新という原点に戻るしか選択肢がない状態に立たされています。
結局、「情報公開こそが最高の贈与」であると同時に、公開の仕方によっては自分の利益になるということです。それこそが、アメリカ、そして西洋文明の基盤であります。
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