新しい世界通貨秩序が生まれつつある:クレディ・スイスのストラテジスト
(出典:2022年3月10日 Yahooニュース)
ロシアによるウクライナ侵攻が始まった時、アメリカとイギリスを中心としたディープステート(DS)は、ロシア政府が外国に保有している外貨準備(資産)を強制的に没収する「通貨戦争」を仕掛けています。
戦後の世界通貨体制が大きく崩壊し、世界は「ブレトンウッズ3体制」に移行したと報道されました。なぜかと言えば、西側諸国の土台は資本主義であるからです。裁判所の判決もなく、個人の財産権を侵害することをバイデン政権は実行しました。
大航海時代以降、500年も世界をリードしてきた西洋文明は国連、G7、G20、NATO、EUなどを組織化していましたが、アジアの日本も含めこれから世界各国が白人国家から離れていくことになります。
ロシア大統領府が新金本位制の復活を検討導入ならどんな仕組みに?
(出典:2022年5月14日 Yahooニュース)
一方、ロシアや中国を中心とした「金本位制(実物資産)」が、アジアやアフリカ、中東、南米などで採用されるようになり、米ドルや米国債から離れて新しい世界通貨体制に移行するのは間違いありません。
強制的に財産を没収されるようなことが起きれば、国や機関・個人投資家が安心してドル建ての金融商品や米国債を買わなくなります。つまり、資本主義と市場経済は本当の意味で終わりを迎え、「世界通貨戦争」が起きたわけです。
ちなみに、「ブレトンウッズ1体制」が始まったのは、第二次世界大戦が終わる前年の1944年です。ニューハンプシャー州のブレトンウッズホテルで開催された会議で、米ドルを基軸とした固定為替相場制=金1オンス35USドルを一定に保つことによって、自由貿易を発展させ、世界経済を安定させる仕組みでした。
このブレトンウッズ協定でIMF(国際通貨基金)が設立され、1971年のニクソン・ショック(ブレトンウッズ2)まで27年間も続きました。1971年8月からは変動為替相場制に移行し、現在までの米ドル=石油体制が始まりました。
つまり、世界中の全ての原油取引は米ドル以外の決済は禁止されたということです。アメリカとサウジアラビアの間で協定が交わされ、いわゆる「ペトロダラー」が始まりました。これが「ブレトンウッズ2」であり、今年2月26日にDSがロシア政府の外国資産を没収するまで50年も続いたことになります。
しかし、数年前からアメリカら距離を置き始めたサウジアラビアは、ロシアと通貨協定を交わしてお互いの通貨「リアル=ルーブル」ですでに原油の売買を開始していました。また、サウジアラビアは中国とも協定を結んで「リアル=人民元」で原油を売却しています。
サウジアラビアの通貨リアルと人民元の間には固定相場制が保たれており、新しい通貨体制には金(ゴールド)や資源(エネルギー)を担保とした保証があります。天然ガスや原油、そしてその他の鉱物資源の価値によって土台が作られたのが「ブレトンウッズ3体制」です。
ロシア富豪の390億円の豪華ヨット、フィジー当局が押収 米要請受け
(出典:2022年5月6日 CNN)
結局、2020年のアメリカ大統領選挙で不正投票を行い、政権を奪い取ったバイデン政権は「通貨戦争」、「エネルギー戦争」、そして「食糧戦争」を仕掛けているわけです。さらに、アメリカはロシア人に対してIEEPA(国際緊急経済権限法)という恐ろしい法律を適用させています。
1971年8月、ブレトンウッズ2体制が始まった時に作られたアメリカの法律ですが、安全保障や外交政策、経済的な脅威に対して、外国の組織もしくは外国人の資産没収(アメリカ司法権の対象となる資産)や外国為替取引・通貨、有価証券の輸出入の規制・禁止をかけるものです。
日本でも、大統領令に基づく制裁対象となっているのは指定暴力団とその関係者で、国境を超えた超法規的な法律です。この法律が国際法に違反しているのは明らかですが、DSは容赦なく相手を叩き潰す傾向があります。
世界最大の米国債保有国、中国がそれを売れない悩ましい理由
(出典:2020年12月19日 DIAMOND online)
米国債の最大保有国は日本ですが、第2位の中国も毎年のように少しずつ売却しながら1300億ドル(150兆円)まで減らしてきました。しかし、IEEPAを適用されることで、これから売却できなくなる可能性があります。
保有している債権の売買を禁止されるという行為は、アメリカのような資本主義国家ではあり得ないことです。ここでも、国や個人の財産権が侵害されているのがわかります。だから、米国債を売るなら今しかありません。
巨額の米国債を日本政府や中国政府が売却した時、アメリカの債券市場で大暴落が起こり、同時に日本を含む世界各国の金融市場は崩壊します。要するに、IEEPAは「金融破壊兵器」であり、それが近いうちに使われることになります。
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