熱海土石流、所在未確認の64人氏名公表 静岡県対応、二転三転
(出典:2021年7月5日 毎日新聞)
静岡県と神奈川県の県境に位置する熱海市ですが、伊豆山で土石流が発生しました。お亡くなりになった方のご冥福をお祈りいたします。
土石流の原因を考察していくと、箱根でも土砂崩れが起きて温泉が出なくなったり、逗子でも高速道路の付近でがけ崩れが起きています。このまま北に向かうと富士山がありますが、火山噴火と大地震前の予兆であるものと考えられます。
このメガソーラーと産業廃棄物があった場所は、標高400メートル近い山であり、深い谷が200メートルもある渓谷です。これほど高低差のある渓谷では、山頂に湧き出る水が谷を通ってそのまま下に流れていくわけです。
土石流で流された家屋は約130戸で、当初の行方不明者は20人と報道されていましたが、すでに救助された方が23人もいるにもかかわらず、3日目になって80人の安否が確認できないと報道するなど、メディアによって行方不明者の数が異なっています。
新たに9人救助も…「リストに載っていない」 行方不明者約20人は変わらず 静岡・熱海市の土石流災害
(出典:2021年7月4日 Yahooニュース)
静岡県や熱海市では、「別荘の利用者が多いため居住実態が把握できず、確認が難航している…」などと説明していますが、札幌市役所の土木課に勤務している私の友人は、行方不明者の「リストに載っていない」ことはあり得ないと語っていました。
つまり、熱海市には住民票を持たない、あるいは戸籍のない人が多数住んでいる可能性があります。ホテルや旅館などの宿泊施設にはチェックイン時の名簿があり、別荘なら所有者がすぐにわかります。
また、市や県、そして自衛隊の初動があまりにも早いことが不自然に感じます。実は、水没の生存率は限りなくゼロに近く、自衛隊はまずは生き埋めになった人を救出することを優先しています。そもそも、土石流で濁った海を捜索することはできないと思います。
要するに、災害時の行政の動きとしては不自然な動きがみられ、宿泊者の家族から問い合わせが入るのが普通です。それにもかかわらず、行方不明者数が毎回変わるのは何か隠していることがあるものと考えられます。
熱海の土石流「山林開発の影響あると思う」 現場を見た静岡副知事
(出典:2021年7月4日 Yahooニュース)
いずれにしても、午前10時頃に130戸以上の家が流されたということで、少なくとも家には1人以上の住民がいたとすると100名以上の死者が出ていても不思議ではありません。原因については、すでに土木工事の専門家である静岡県の難波副知事が説明しています。
副知事は、山間部に不法で投棄された産業廃棄物の上から盛り土されたのが5万立方メートルで、それが土砂崩れを起こしたと認めています。上空の映像から、崩れた現場の土の色が赤と黒で違うのは、赤土は後から盛られたもので、黒土は火山灰であることがわかります。
この事故は、不法投棄の対策を行ってこなかった静岡県や熱海市が、投資ファンド会社や上場企業の社長が土地を購入することを許可し、さらに大量のソーラーパネル設置のために材木を切り崩す許認可を出したことです。
上空から見た熱海市伊豆山地区の土石流被害現場
(出典:2021年7月4日 Yahooニュース)
一見、大雨後の土砂崩れという自然災害に見えますが、悪質な官民による悪質な行為が積み上がって起こした「人災」です。大規模な犯罪行為である場合、静岡県や熱海市の責任を追及する必要があります。
被災者は、静岡県や熱海市、産廃業者、ソーラーパネルの施工業者、そして土地所有者などを相手に、集団訴訟することになると思います。静岡県は、責任逃れをせずに正直に原因を究明するべきです。
「隠ぺい体質」の自治体は、都合が悪い事実は隠す傾向が高く、これだけの住民が亡くなっても反省しないまま、あくまで利権を守るために本当の主権者である住民を裏切るのは明らかです。
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