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領空侵犯のロシア軍機は早期警戒管制機A50 韓国が360発警告射撃
参議院選挙後の7月23日に、ロシアと中国の戦闘機が日本海で合同の巡回飛行訓練を行っているようです。その際、係争地である竹島（独島）の近くを飛行したため、実効支配している韓国が戦闘機を緊急発進させ、領空侵犯したロシアの戦闘機に警告射撃を行ったというわけです。
ロシアと中国の戦闘機は、領空の外側の防衛識別圏内を韓国と日本に無許可で飛行しており、韓国政府は、ロシアと中国の駐韓大使を呼びつけて抗議しています。一方の日本政府は、竹島周辺に防空識別圏を設定していないことを理由に、記者会見で遺憾の意を表明しただけです。
日韓の安保協力維持で一致＝関係悪化に歯止めを－ボルトン氏と韓国高官
この事件について日本のマスメディアは、日韓の対立、そしてロシアや中国脅威という論調で報道していますが、気になるのはアメリカ政府や米軍が何も公表していないことです。ロシアと中国は、以前から日本海や極東で軍事協調や合同軍事演習を行っていますが、それについてアメリカは一度も公表したことがないわけです。
中国の台頭やロシアとの結束が、アメリカにとって脅威であるのは明らかですが、日韓の領土の近くを無断で飛び回り、日本と韓国の戦闘機が緊急発進し、韓国機がロシア機に威嚇射撃して交戦しそうになったのにもかかわらず、在日・在韓米軍は何も公表せずに、日本と韓国が別々に対峙することになってしまっています。
偶然にも韓国を訪問したボルトン大統領補佐官（国家安全保障担当）は翌日24日に鄭景斗（チョン・ギョンドゥ）国防相と会談し、「韓日の安全保障協力を引き続き維持していかなければならない」という点で意見が一致した、と報道されています。
ネオコン（軍産複合体）の代表格でもあるボルトンは、日本の自衛隊と韓国軍をホルムズ海峡に派遣させるために両国を訪問したわけですが、そのボルトンも何も発表していません。結局、トランプ政権は表向き同盟国である日本と韓国を中国とロシアのから守ると言いつつ、実際は放置しているだけで、むしろアメリカから軍事的に自立させようとしているのは明らかです。
要するに、今回のロシアと中国の合同巡回飛行は、竹島や対馬海峡などで日本と韓国の領空や防空識別圏にわざと入ることで、米軍や日韓政府がどのように反応するかを確かめる作戦であると思われます。
トランプ大統領によるアメリカの覇権の放棄が進むほど、米軍は日本と韓国を軍事的に守らなくなり、米軍基地の撤退に心理的な準備をさせることになります。ロシアと中国は、アメリカと日本・韓国がどこまで考えているかを知りたいはずです。
今回、そのためにロシアと中国は合同で意図的な領空侵犯を行って反応をうかがったということです。特に、竹島（独島）は紛争地であることで、東アジアのアメリカ覇権が低下し、今後はロシアと中国の覇権下に移っていく中で、防衛実務について把握しておく必要があります。
結果として、韓国政府や韓国軍は、威嚇射撃や大使を呼び出して叱責するといった厳しい対応をし、北朝鮮との戦闘を経験しているため領空侵犯に対しても容赦せず、激しく警告射撃する本気の防衛を見せました。
一方の日本は、長年、防衛をアメリカ頼りにしているため完全に腰が引けており、対馬海峡の防衛識別圏を侵犯されたのにかかわらず、大使に抗議をせず、官房長官が遺憾の意を表明しただけであったわけです。これが本物の平和憲法です。
今後、ロシアと中国の支配は強まる一方になりそうですが、米軍基地が撤退し、北朝鮮の核開発を凍結する見返りにアメリカが対北制裁を一部解除することになれば、韓国がロシア・中国と協力することで北朝鮮を経済的に支援していく流れになるものと考えられます。
南北朝鮮の和解が進み、今度はロシアと中国が朝鮮半島の後見役になっていくため、日本海はロシアと中国が支配することになるということです。
一方、今回の事件によって竹島に対する日本政府と国民の主張が外交重視であることが露呈し、アメリカに依存してきた日本の影響力は低下していくしかないように思います。日本は今後も平和憲法の下で平和主義を貫いてもらいたいものです。
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