1ドル=151円台まで下落 約32年ぶりの円安ドル高水準を更新(2022年10月21日)
(出典:2022年10月21日 Yahooニュース)
世界中の投資家(ギャンブラー)たちは、日銀がFRBに続いて「利上げ」と「金融引き締め」を実施すると見込んでいましたが、黒田総裁は「金融緩和を続ける」「金利は上げない」と言い続けています。
また、黒田は機関投資家である銀行や証券会社、保険会社に「年利0.25%で日本国債を購入する」と発言したことで、誰も国債を売却しない状態が続いています。
国債の金利は0.25%を推移していますが、0.3%を超えると日本政府は利払いができなくなって、財政危機になると言われています。日本は、珍しくアメリカの言うことを聞かず、独自の政策で金利を上げず、金融引き締めを実施しなかったわけです。
その結果、「1ドル=151円」の円安という形になり、世界中の投資家たちが金利が高い米国債に資金を逃がしたわけです。ところが、円安に歯止めをかけるために、財務省と日銀は3回ほど市場に為替介入しました。
政府・日銀の市場介入額、過去最大の月間6兆3499億円…財務省が発表
(出典:2022年11月1日 読売新聞)
あくまで、誰が介入したかわからない程度に円買い・ドル売りを実施しましたが、結局、その効果は長続きしませんでした。市場への為替介入のための資金は、財務省と日銀が保有する「外貨準備金」を使っています。
財務省と日銀は、約1兆3000億ドル(約150兆円)の外貨準備で日本円を支えようとしていますが、必ずしも円高に誘導するには十分な資金の額とは言えません。なぜかと言えば、効果がないまま外貨準備をただ減らしていくからです。
つまり、一時的に円高に誘導できても、世界中の投資銀行やヘッジファンドが豊富な資金を使ってドルを買い増しするので、出口戦略がなくなるということです。投資家たちは、日銀が金利を引き上げられないことも知っています。
そのような状況の中、FRBは5%まで利上げをすると市場では予想されています。12月のFOMCでさらに0.5%を利上げすれば、日本との金利差はますます拡大して130円台から再び150円台に向かっていくかもしれません。
円相場 政府・日銀が市場介入か一時7円以上円高ドル安に(2022年10月22日)
(出典:2022年10月22日 NHK NEWS WEB)
数日前まで1ドル=138円台まで円高が進んでいましたが、ここにきて140円台に入ってきました。
そもそも、1円上昇させるには数兆円が必要だと言われており、6兆3500億円の外貨準備だけで12円も円高になるわけがありません。
おそらく、「簿外資産」と呼ばれる国内の金(ゴールド)が円に換金され、円高に振れたとしか考えられません。その莫大なゴールドを保有しているのは世界でも天皇家しかいないため、いよいよ動き始めたように思います。
これまで円高に誘導する唯一の手段と考えられていた外貨準備金ですが、世界中の投資銀行やヘッジファンドと争っても勝ち目はありません。せいぜい無謀なファンドをいくつか破滅に追い込むことしかできません。
日本の国家予算が107兆円(2022年度)ということで考えると、150兆円の外貨準備は国家予算よりも大きいことがわかります。しかし、150兆円など世界中にあるドルの流通量と比較すると微々たるものです。
そして、150兆円の外貨準備金を使い果たしてしまうと、日本はただの借金大国でしかなくなってしまいます。だから、世界中のエコノミストが日本円と日本国債の危険性について指摘するようになりました。
もし1ドル=150円を超えるような超円安を日本政府が許すことになれば、9月にイギリスで起こったような国債・通貨・株式の「投げ売りトリプル安」が今度は日本でも起きるということです。
くり返される「財源なき財政出動」借金頼みの危うさ
(出典:2022年11月17日 毎日新聞 政治プレミア)
金融経済では、国債と長期金利は逆相関の関係にあり、国債の市場価格が下落すると長期金利が上昇し、住宅ローンや銀行の貸し出し金利などあらゆるものに影響を与えることになるのは明らかです。
当然、長期金利が上昇すれば日本政府の利払い額も増えることになり、かなり厳しい財政運営を迫られることになりかねません。幸運なことに、アメリカのインフレ率が9.1%から7.7%に下落したことで、FRBは2023年6月頃にも「利下げ」する可能性が出てきました。
金利が下がることで日米の金利差は縮まり、日本は最悪な状況を回避できるかもしれません。ただし、ウクライナ戦争が停戦しないうちはインフレが収束することはありません。だからこそ、私たちは国債や通貨、株式に依存せず、地道に金(ゴールド)と種、そして農地を確保するだけです。
これから雪で覆われる北海道では、来年春から農地を確保して種をまいて収穫し、できるだけ備蓄することが求められています。今年1年で学んだことは必ず来年につなげられるように、今から準備しておくことです。
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