GoToトラベル東京追加 10月に人出増えた観光地は
(出典:2020年10月18日 朝日新聞)
今回は、日本ではほとんど報道されていない新型コロナウイルスの危険な突然変異についてです。日本では「GoToキャンペーン」によって、全国各地の観光地に人が溢れ、今年2月以前に戻ってしまっています。
実際に、死亡者数は低下し、重症患者の発生件数も減少していますが、感染者数は増え始めています。しかし、経済活動の全面的な再開も時間の問題、という雰囲気になってきました。
一方、諸外国の状況は日本とは異なり、特にヨーロッパの状況は深刻です。フランスやイギリス、スペインでは、新たに確認される感染者が1日1万人を超える日が続いており、第一波を上回っています。
WHO Europe Director Says Governments Should Stop Enforcing Lockdowns
(出典:2020年10月13日 SUMMIT NEWS)
第二波でも、欧米諸国とその他の国で状況が異なっています。欧米諸国では、感染者数を水増しして経済活動を止めるために都市閉鎖(ロックダウン)が続けられていますが、日本など諸外国では入国制限を解除しているわけです。
実は、都市閉鎖はコロナ対策として効果が薄いことがすでに明らかになっています。トランプ政権やWHOは、欧米諸国の経済的優位性をなくすために都市閉鎖を始め、ヨーロッパ諸国はアメリカに追随させられています。
スペインの感染者100万人超す 欧州で初 英、伊も新規感染者最多に
(出典:2020年10月22日 毎日新聞)
ヨーロッパ各国の政府は、新たな規制を導入する動きが広がりつつあります。例えば、フランスでは新たに確認された感染者数が1日で3万人近くに上り、政府はヨーロッパ全土がすでに「第二波」の中にあると認識し、感染予防策を徹底するよう市民に最大限の注意を促しています。
また、1日あたりの感染者が10月から連日1万人を超えているイギリスでは、ジョンソン首相が地域の感染の状況に応じた対策を導入することを発表し、最も感染が深刻なリバプールにある飲食店の営業を禁止しました。
さらに、ヨーロッパで感染者が最も多いスペインでも、1日あたりの感染者数が1万人を超える日が続いています。首都マドリードでは、10月から通勤などを除く、他州への移動が禁止されています。
このように、日本とは全く状況が違うヨーロッパ諸国は、経済活動への影響を見極めながら再び厳しい規制の導入を余儀なくされている現状があります。
そのような状況の中、新型コロナウイルスの新しい特徴が発表されています。その一つが再感染の可能性についてです。一度、新型コロナに感染すると体内に抗体がつくられるため、これまで再感染はないと見られていましたが、実はそうではないことが証明されるケースが多数報告されています。
新型コロナの抗体持続期間は予想以上に短く、感染から回復後、比較的短い期間でも再感染することが明らかになりました。また、再感染すると、今度は重症化するリスクが高まることが報告されています。
アメリカのネバダ州に住む20代の男性が再感染した例が掲載されています。新型コロナ感染を再び発症した際、肺が十分な酸素を体内に取り込めず、入院治療が必要になったと書かれています。
男性には、新型コロナの影響を受けやすいとされる基礎疾患や免疫低下は見られなかったようです。今回、掲載された研究では新型コロナへの感染によって獲得された抗体の持続期間に疑問を投げかけています。
新型コロナ空気感染の可能性、米CDCが再び言及
(出典:2020年10月6日 CNN)
さらに、新型コロナの空気感染(エアロゾル)の可能性を示す発表もありました。アメリカ疾病対策センター(CDC)は、新型コロナの感染経路に関する方針を再び改訂し、空気感染の可能性に関する情報を追記しています。
声明では、「新型コロナの感染者から6フィート(1.8メートル)以上離れていたのに感染した…」という報告や、新型コロナの陽性者がその場を離れた後に他人が感染したという報告も、一部に存在することを認めています。
そして、「換気の悪い密閉空間で感染が発生しており、歌や運動など呼吸が増える活動を伴うことが多い環境が、ウイルスを運ぶ粒子の蓄積する原因になった可能性がある」と指摘しています。
これまで、一般的に新型コロナは飛沫を通して感染が拡大するとされ、人との距離を2メートルのソーシャルディスタンスを維持すれば感染の危険性は低いと言われてきました。
ところが、CDCが発表したように空気感染するのであれば、この2メートルのソーシャルディスタンスだけでは感染の危険性が完全に回避されるわけではないことを示したことになりました。最近、CDCは事実を発表することが増えており、私たち日本人も十分な注意が必要です。
新型ウイルス、紙幣やスマホの表面で28日間生存=豪研究機関
(出典:2020年10月12日 BBC)
一方、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の調査によると、紙幣や携帯電話のスクリーン、ステンレススチールなどの表面に付着した新型コロナウイルスは約1か月も生存することが分かったと発表しています。
さて、第二波が襲って来たことで、これまで私たちが考えてきたよりも新型コロナは長く生存する可能性が出てきました。物質の表面に付着したウイルスから感染する危険性があることから、生活の中でも注意しなければならなくなったというわけです。
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