岸田首相 衆院解散14日衆院選公示19日投票31日会見で表明
(出典:2021年10月5日 NHK NEWS WEB)
自民党の新総裁となった岸田文雄は、10月4日の臨時国会で首班指名された後、すぐに衆議院を解散して10月31日に衆議院選挙の投開票が決まりました。
今回の総選挙で、自民党は多くの議席を失う可能性があります。野党候補に魅力があるのではなく、派閥どころか党全体が分裂しているわけです。この20年、対米従属で進んできた自民党政権は暴走し続け、そして自滅していきます。
50以上の議席を失ったとしても、公明党との連立政権で与党の座を守ることはできると思います。しかし、岸田政権は短命政権になるのは間違いありません。1年後には、再び解散総選挙が実施されることになります。
すでにスタートダッシュに失敗している岸田新政権は、安倍・菅政権が破壊した日本の政治を変えるどころか、さらに悪化させることになります。「人の話を聞くだけが取柄」の岸田首相への期待は、徐々になくなっていきます。
自民党・岸田派の宏池会は、まるで江戸時代の公家のような存在です。マキャベリが唱えた政治論理である「悪人が政治を支配する」こともできず、マネタリストとして財政の健全化にも一切手を付けないまま消えていくしかないように思います。
結局、官僚たちが扱いやすかったのは河野太郎ではなく、岸田であったということです。安倍・元首相や麻生・元財務大臣は、岸田政権を自由に操りながら好き勝手にできることを喜んでいます。
“極右”の安倍政権が左派的政策をとり、共産党が「保守」と呼ばれる訳
(出典:2017年11月17日 DIAMOND online)
靖国神社に参拝し、憲法改正に賛成する高市早苗を支えた1回目投票の議員票は114票もあったことで、自民党内にはリベラル系の極右(タカ派)が存在しています。この勢力の背後には、複数の新興宗教団体がいるのは明らかです。
最終的に、決戦投票でこの114票は全て岸田に投票されましたが、二階派の42票も「勝ち馬に乗ること」で岸田に入りました。この42票は自民党の保守系のハト派であると思われます。長らく幹事長を務めた二階俊博は「親中派」ですが、穏健派の政治家でした。
二階は河野が負けることを選挙前から知っており、自分の派閥議員に対して岸田に投票することを促したはずです。つまり、9月20日頃にはすでに岸田が新総裁に選ばれることが決まっていたということになります。
初の大臣経験者も多数含まれていますが、見るからに妥協の上で選ばれた岸田政権への期待は、残念ながら国民にはなく、国会議員たちにもありません。そもそも、国会議員には理念や方針というものがないのが現状です。
全国にいる自民党員は約100万人ですが、そのうちの80%近くが河野を新総裁に選んでいました。要するに、自民党を改革するために期待して選んだと思われます。大きな希望はなくても、少しは期待感があったのかもしれません。
ワクチンの職域接種と同様、企業や団体組織によっては社員全員が自民党議員にされるという「職域党員票」では、経営者からの圧力で岸田に投票した人も少なくなかったようです。
今さら聞けない?! 「保守」「リベラル」ってなんだ?
(出典:2017年10月6日 朝日学情ナビ by 朝日新聞)
さて、近いうちにアメリカは予算上限引き上げが不可能となって債務不履行か、あるいは50年ぶりの「逆ニクソンショック」が起きる可能性があります。世界中にある米軍基地が撤退し始め、基軸通貨ドルの価値が下がれば中国の力が強まってきます。
中国は、日本に対してあらゆる方向から影響力を浸透させています。安倍や高市のような極右が、中国共産党に抵抗したところで勝ち目はありません。それよりも、日本にとって必要なのが「中道左派」です。
ドイツ総選挙、中道左派SPDが僅差でメルケル氏の党に勝利 連立交渉へ
(出典:2021年9月27日 BBC)
ノルウェー議会選、中道左派が過半数確保の見通し 首相退陣表明
(出典:2021年9月14日 Yahooニュース)
「中道左派」ほど日本を立て直し、「令和維新」を起こせる政治思想はないと思います。最近、世界各国の総選挙では中道左派が勝利し、与党になるケースが増えています。次回は、政権を取ったドイツ社会民主党(SPD)について説明したいと思います。
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