フランスのパリで11月23日に開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会での投票で、2025年国際博覧会(万博)の開催地に大阪が選ばれたと報道されています。
要するに、オリンピックだけではなく、万博の開催国にさせられ、さらに債務残高を急増させることで日本をデフォルト(債務不履行)に追い込むというとても分かりやすい罠にはまっているのが日本という国なわけです。
実は、万博というのも基本的にはオリンピックと同じ利権構造であって、公共事業費(税金と国民の借金)をできるだけ増大させ、それを政治家や官僚、そして大企業(広告代理店や建設会社)が中抜き(ネコババ)することが目的となっているイベントでしかありません。
すでに健康保険や雇用保険の財源が足りないことが明らかな日本政府ですが、このデフレ経済の中で何を万博で発表することがあるのでしょうか?貧乏生活は素晴らしい、節約こそ未来などと発表するつもりなのでしょうか?
テレビなどで次の万博開催地に大阪が決まった瞬間、安倍首相や松井大阪府知事、経団連の榊原会長や関西経済連合会の松本会長のような年寄りが喜ぶ姿だけで、女性は探すのが難しいくらい少なく、若者は一人もいなかったように思います。
大阪府の万博誘致のビジョンは、「いのち輝く未来社会」などと言ってますが、この時点で利権関係者以外に未来などないことは誰の目に明らかです。実際に、前回の愛知万博が低調であったことで、その後の万博ブームは終焉へ向かっていた雰囲気がありました。
その後、東京やトヨタに関連する東海地域以外の地方では本格的な不況状態が継続し、首都圏以外の最も大きな地方都市である大阪は、最も不況の影響が大きい状態が継続したことは言うまでもありません。
もはや首都圏、東海圏、関西圏では約20年で2倍となった単身高齢者が激増しており、さらに債務残高を急増させる、つまり国の借金を増やすイベントをさせられることになり、全国的にも高齢者人口は2030年代まで増え続ける見込みです。
しかし、それまでの間の社会保障制度を維持し続けることは不可能であるため、日本がいよいよデフォルト(国家債務不履行)宣言を2020年には行うことが決定的になったと言えます。
2013年9月に東京オリンピック誘致のためのスピーチを安倍首相が話した内容を覚えているでしょうか?
明らかにウソが混ざってる上に日本国民に対して今まで言ったこともないような楽観的な内容、つまり福島原発は「アンダーコントロール」であるという威勢のいい話をしてしまったことです。
東京オリンピック誘致では、復興途上の被災地の状況や未だに危険な状態の原発への対応よりも、外国人にカッコをつけることやオリンピックの経済効果の方が優先だとはっきり示しただけではなかったわけです。
さらに、日本国民もIOC(国際オリンピック委員会)の委員も、そして言っている本人さえも真に受けないようなウソを国際的な舞台で自信満々に言ってのけるという、今まで日本の政治家が超えなかった一線を安倍首相はいとも簡単に越えてしまいました。
私が思うに、「外国人にアピールするためには自信満々でプレゼンしてください」とブレーンに言われ、言われた通りにスピーチしただけであることは間違いないでしょう。このことは、後々高くつくことと思います。そもそも開催そのものが中止に追い込まれる可能性が高くなっています。
多くの日本人は、「日本を元あった状態に戻し、震災そのものをなかったことにしたい」という願望があることから、これまで仕方なく自民党を支持してきたと考えられます。
当時、安倍首相の発言は、「ただちに健康に影響はない」「基準を10倍の何ミリシーベルトまで引き上げる」とかいう震災直後の民主党政権の対応に日本人が感じた失望と憤りを再び思い出させてしまったわけです。しかも、国民の頭越しに東京オリンピック誘致の場で、急に言い出したことでさらに強い反感を買ってしまったということです。
指摘されている通り、2020年東京オリンピックや2025年大阪万博には1964年や1970年のように「焼け跡からの復興」と国民が共有されたような物語は全くありません。東京や大阪に決まって諸手を挙げて喜んでいるのは、オリンピックや万博でお金が落ちる広告代理店や建設会社、そして中抜きする官僚や政治家など一部だけです。
今回の大阪とコールされた瞬間に招致委員が泣いて大喜びしている姿に大半の国民、特に若者は距離を感じずにはいられなかったんじゃないでしょうか?
確実に利益を得られる招致委員や関係者にとっては、これまでの招致活動のための苦労があったとは思いますが、そのようなことはわからない国民は、彼らが泣いて喜んでるのを見せられても全然知らない人の結婚式や葬式に紛れ込んでしまったような気分にしかなりません。
特に、インターネットでの反応を見てみると、「大阪が万国開催地に選ばれなければ良かったのに」と怒っている方が多数います。今回も肯定的な気分にはなれないということです。
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