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トルコ軍がクルド人地域へ軍事侵攻③ 「トルコにある米国製核ミサイル問題」

 

欧米諸国の圧力に対して、全く動じないエルドアン政権の態度を強硬なものにしている理由は、実は日本のマスメディアでは全く報道されていません。

 

それは、トルコが保有する核ミサイルについてです。トルコは、NATO加盟国として国内に米軍の核ミサイルが配備されています。トルコ政府は、これまでアメリカの同盟国としてこのことを問題視してきました。

 

核爆弾50発を“人質”、米副大統領、トルコ訪問の本当の理由
2019年10月18日のウェッジインフィニティへのリンク画像です。

 

このことを最初に報道記事にしたのは、アメリカの大手新聞社ニューヨーク・タイムスですが、他の新聞社やテレビ局でも同様の報道がされています。

 

それらの報道記事では、アメリカはトルコ空軍と共同利用しているトルコ南部にある空軍基地に核ミサイルを保管していると伝えています。この空軍基地は、シリア国境から約200マイルの地点にあり、誘導ミサイル爆弾が50以上も配備されているということです。

 

米ソ対立が激化していた冷戦期の1980年代、アメリカはソ連の進行を抑止する目的でヨーロッパ全土に大量の核ミサイルを配備していたと言われています。トルコの空軍基地に配備されている50以上の核ミサイルも、この冷戦期に配備されたものであるということです。

 

核兵器を管理している米エネルギー庁は、トルコ軍がシリアに軍事侵攻したことでアメリカとトルコの関係が悪化し、これらの核ミサイルが別の目的に悪用される可能性があるとして、できるだけ早く撤去する方向で検討していると発表しています。

 

しかし、配備されているこれらの核ミサイルは、トルコにとってアメリカは同盟国であるという象徴でもあるため、撤去することはアメリカがもはやトルコを同盟国としては見ておらず、信頼していないことの現れとして判断される可能性があります。

 

つまり、核ミサイル撤去はアメリカとトルコの同盟関係の終焉に繋がるということになります。ただし、トルコに核兵ミサイルを配備したままにしておけば悪用される可能性があるのは明らかです。トランプ大統領は、これを撤去もできない状況に置かれているわけです。

 

要するに、エルドアン政権がアメリカの核ミサイルを人質にとったようなものであり、エルドアン政権はトランプ政権に揺さぶりをかけて脅すために、配備された核ミサイルを最大限に活用することになりそうです。

 

もしトランプ政権が、トルコに対して経済制裁をさらに強化し、ドイツやフランスがトルコへの武器禁輸を決定するなら、別な目的に核ミサイルを使用する可能性もあり、欧米諸国を牽制することになります。

 

このような状況の中、エルドアン政権にクルド人地域からの撤退を迫り、トルコに経済制裁を発動させたアメリカや、武器の禁輸処置を発動したドイツやフランスには勝ち目がないことが分かるはずです。

 

今後、エルドアン政権が優位に立っている状況を背景に、トルコ軍はシリア北東部に駐屯する米軍特殊部隊を砲撃したり、トルコとヨーロッパの国境を解放して350万人のシリア難民をヨーロッパに送ると脅していくと思われます。

 

トルコ、米軍駐留拠点近くに砲撃 米国防総省発表
2019年10月12日の日本経済新聞へのリンク画像です。

 

米軍特殊部隊の砲撃は間違いで事故である、とトルコ政府は発表していますが、米軍がトルコ軍と戦闘状態になる意志があるのかどうかを試したものと思われます。その結果、米軍にはその意志はなかったことがわかりました。

 

しかし、これから発生する可能性のある危険とは、トルコ軍がクルド人部隊を支援しているシリア政府軍と交戦状態になることです。これはトルコが最も恐れる事態であって、トルコ軍はシリア政府軍とロシア軍との衝突を慎重に回避しつつ作戦を展開しています。

 

シリア政府軍との戦闘が危険である理由として、トルコがアメリカが主導するNATO(北大西洋条約機構)の加盟国であることが挙げられます。NATOは、加盟国間の集団安全保障の機構として存在しており、もし加盟国が攻撃された場合、他の加盟国国も同時に交戦する規定になっています。

 

トランプ氏、トルコ配備の核兵器確認の発言か 米政府で初
2019年10月12日のCNNへのリンク画像です。

 

もしトルコ軍が、シリア政府軍と全面的に衝突するような事態にでもなれば、アメリカを中心としたNATO加盟国のフランスやドイツもシリア政府軍と同時に交戦する義務があるというわけです。

 

今、トルコ軍がわざと米軍特殊部隊に攻撃したり、核ミサイルを撤去できない問題などもあり、アメリカとトルコとの同盟関係は危うい状況にあります。そして、EU(欧州連合)との関係もかなり厳しくなりつつあります。

 

そうした状況の中、トルコ軍がシリア政府軍と全面的に交戦するという事態になれば、アメリカなどのNATO加盟国が巻き込まれるという危機的な状況になるということです。

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