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ヘーゲルの弁証法(正・反・合)によるアメリカ共和党・民主党の中間選挙

更新日 2018年11月14日

対立する2つのイメージ画像

11月7日にアメリカで実施された中間選挙の結果として、トランプ大統領率いる共和党は、上院では勝ちましたが、下院では負けてしまいました。

 

共和党が勝った上院では、自分を支持している上院議員や州知事を多く当選させ、過半数を取りました。一方、負けた下院では今回の選挙で、大量の民主党女性議員が誕生することになりました。さらに、司法長官を更迭し、最高裁判事を仲間に入れることができたわけです。

 

このように、欧米諸国ではいつもやりすぎて追い出されるようなことがたびたび起きています。つまり、「庶民を騙して金を奪うのは生業である」と言わんばかりの勢力がこれまで行ってきたことがバレたため、選挙戦で追い出された、ということです。

 

歴史上、何度もこのようなことは繰り返し起きてきたわけですが、まず騙しのツールとしてマスメディアを支配することで、ウソで生きることを止められないようにも見えます。つまり、欧米(西洋)文明というのは、「ウソこそ人類の最も重要な生存ツール」という不思議な信念に基づいて支配してきたということが言えそうです。

 

一方、アメリカ民主党という、本来は貧しい者と労働者と移民を守るためのはずの政党が、恐ろしい勢力が潜り込むようになってからというもの、アメリカの政治はもはや一枚岩ではなく、内部で闘争(内戦)をするようになってしまいました。

 

今のアメリカの最大の権力者は、大統領選挙で正式に当選したドナルド・トランプであるはずですが、どう考えても最高権力を握っていないように思います。むしろトランプ大統領は、野党のようであり、巨大な影の権力に刃向かい、抗議している反対派に見えてしまいます。

 

これまでアメリカの庶民を食い物にしてきた首都ワシントンDCに巣く食う魑魅魍魎(みちもうりょう)たちは、今も続く真のアメリカ政治、本当のアメリカの民衆たちの逆襲にあっていますが、この真に善良なアメリカ人たちの苦悩は日本人には理解できないようです。

 

今回の選挙戦でトランプ共和党の集会には、数万人のアメリカ人が集まりました。しかも入りきれない人も数万人もいて、外にある巨大スクリーンで見ていたと一部で報道がありました。

 

これに対して、アメリカ民主党の集会にはどこも数百人が集まっているだけなのが真実であり、アメリカ人の友人がいる方は、今からその友人に国際電話をかけて本当に何が起きているのかを訊いてみるべきです。それにしても一体なぜ、このような事実でさえ日本には正しく伝わらないのでしょうか?

 

今回、中間選挙前にアメリカ東海岸に4日間滞在して理解できたことは、アメリカの田舎に住んでいる素朴なアメリカ人たちの必死な気持ちでした。だから、たった4日間という短い滞在にもかかわらず、私はアメリカ東海岸に住む平均的で保守的な大衆と共感することができたのかもしれません。

 

しかし、民主党だけではなく、共和党の中にもトランプ大統領と敵対する、軍産複合体と呼ばれる企業体集団があります。軍事・国防産業を筆頭に、CNNやニューヨーク・タイムスなどの主要マスメディア、そしてウォール街の投資銀行などもこの集団の一員とされています。

 

私は、いわゆるヘーゲルの弁証法(正・反・合)による共和党・民主党のどちらが勝利しても何も変わらない現状を知っています。もう10年ほど前からこのような単純なアメリカという一国の政治ドラマとして見てはいません。

 

とにかく、エリート層というのは2つの軸(正・反)を作りたがります。共和党や民主党などの呼び方を付け、一般庶民にはあらかじめ決められたルールや枠組みの中に閉じ込めて両陣営に分けてプロレスを見せさせられるというわけです。

 

今回、民主党はもう2年も「反トランプ」ということを掲げてある事ない事の言いがかりをつけていますが、トランプ政権を倒したとしても、実は味方の反トランプ側に存在しています。このように、常に両建て(合)作戦を企てているということです。

 

私たちが歴史の教科書で習ったのは、資本主義の反対は共産主義ということでした。当時、1950年代から1980年後半代まではアメリカとソビエトは冷戦時代にありました。どちらも軍拡競争に忙しく、核兵器が世界各国で飛ぶように売れました。

 

そもそもソビエト連邦という国もこのために建国したことがわかるはずです。今現在、この資本主義社会というのは、人々がお互いを蹴落とそうとしているだけのシステムであることに気付くべきです。なぜなら、競争すればするほど2つの軸を作った側の権力は盤石になりつつあるからです。

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