バイデン氏、選挙人の獲得予想で過半数超え CNN予測で初
(出典:2020年10月8日 CNN)
コロナ前の2月から、CNNやニューヨークタイムズなど民主党系のメディアは、バイデン候補の勝利を予測する報道記事やニュースを流してきました。それをコピー&ペーストするだけの日本のマスメディアも全く同じです。
なぜかと言えば、世論調査に答えていない(答えない)トランプ大統領の支持者が大勢いるからです。このことは、4年前に民主党候補のヒラリー・クリントンと争った時にも全く同じことが起きていました。
2016年のアメリカ大統領選挙では、ラストベルト(錆びた工業地帯)と呼ばれる中東部に住む労働者や、バイブルベルト(聖書地帯)と呼ばれる南東部に住む福音派のクリスチャンの票が決め手となってドナルド・トランプがヒラリー・クリントンに勝利したわけです。
今回、本来は民主党の地盤であったこの2つのベルトに住む有権者が、再びトランプ大統領に投票することで選挙の行方が決まると言われています。民主党が強い地域に住むトランプ大統領の支持者は、バイデン候補の支持者に囲まれているのが現状です。
だから、公に自分がトランプ大統領の支持者であることを主張できないのです。結局、4年に1度のこの時期は周囲の人間関係を気にし、政治的な主張をできるだけ控えているわけです。
ウオール街に潜む隠れトランプ派の本音
(出典:2020年10月5日 日本経済新聞)
この「隠れトランプ支持層」は、マスメディアの世論調査に反映されることはなく、今回の選挙も勝敗のカギを握っていることは間違いありません。その理由は、民主党が地盤としている各大都市の状況の変化です。
新型コロナの感染拡大によって、全米の大都市では人口流出と治安悪化の悪循環が続いています。5月にミネソタ州ミネアポリスで、黒人のジョージ・フロイド氏が白人警官によって殺害された事件以降、全米各地の都市では未だにBLMなどの激しい抗議運動が続いています。
そのほとんどは平和的なデモですが、10%程度のデモが暴動に発展しています。実際に、トランプ大統領を熱狂的に支持する白人至上主義グループと地元のリベラルな自警団が銃撃戦となり、死者が出ています。
そのような状況の中、西海岸のシアトルやポートランド、サンフランシスコ、ロサンゼルス、また東海岸のニューヨークやボストン、そしてシカゴなど民主党の支持者が多い都市では、警察官や保安官が襲撃される事件が多発しています。
「銃が“バカ売れ”」NYで殺人・銃撃事件が増加マンハッタンの中心街でも物乞いの姿
(出典:2020年10月9日 Yahooニュース)
当然、殉職する警察官が続出しているため、都市部では警察官の退職が増えてきています。すでに各警察署の予算削減によって、警察官の大量リストラが実施されています。例えば、ニューヨーク州ロチェスター市では、警察官全員が退職してしまっています。
その結果、大都市圏の中心部の治安の悪化が進み、ニューヨークでは殺人事件が前年比50%も増え、一般犯罪も200%増加していると報道されています。シアトルでは、前年比500%も犯罪率が増加し、ロサンゼルスでも殺人事件が前年比250%も増えています。
ポートランドでは、銃撃事件が150%も増え、全米各地で起きている都市の犯罪率平均は、前年比30%も増えました。このため、富裕層から先に大都市から郊外や田舎へ人口流出が始まっています。
Bay Area home prices soar with suburban boom
(出典:2020年10月7日 The Mercury News)
実際に、私の住んでいたサンフランシスコ中心部では地価が平均4%以上も下落し、反対に郊外は平均5%以上も上昇しています。この下落率と上昇率は、さらなる人口流出によって大きくなっていきます。
また、ニューヨーク中心部では平均18%も地価が下落しており、ロサンゼルスでは新築マンションの販売が前年比50%も減少しています。今後、自治体の財政破綻が起こる可能性があります。
自治体によって差はありますが、アメリカの大都市の税収は固定資産税への依存度が高く、税収の約50%が固定資産税に依存している自治体もあるほどです。そのため、人口流出と中心部の地価の下落は、深刻な税収不足を引き起こしつつあるいうことです。
彼らの多くは、郊外に家を購入してテレワークを中心とした生活を固めつつあります。都市部からの農大な人口流出の結果、大都市の中心部はさらに治安の悪化が目立ってきました。日本人や日本語を読める人は、日本に帰国することを強くお勧めします。
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