2016年11月、アメリカ大統領選挙で当選したドナルド・トランプが大統領となって2年が過ぎ、新たに覇権確立のために排除したい国として中国とイランが挙げられています。
その他にも、中国の経済力低下によって大きな影響を受ける国として、パキスタンやブラジル、アフリカ諸国などの親中国家があります。それでもアメリカが最初に制裁を行おうとしているイラン、そして次のターゲットである中国が経済的に低下していくと、ドイツも多大な影響を受けることが考えられます。
このため、ドイツは中国経済の崩壊を必死で食い止めようとしていますが、どちらにしても逃げ遅れが原因となり、ドイツ経済はEU(欧州連合)の中でも力を失いつつあります。それによりEUにおけるリーダーシップの地位を消失することになるのは時間の問題です。
そのドイツに代わってEUのリーダー国の地位を固めるのがフランスというわけです。フランスは転換期と察知したのか、急激な方向転換を様々な分野で頭を出し始めているように見えます。今年に入って南シナ海に軍艦を派遣したり、日本との軍事協力にも参画し始めています。フランス独立記念日には、日本の自衛隊をもパレードに参加させるという豹変ぶりです。
フランスは確実に、今後起こりえる中国経済の崩壊とドイツの経済的衰退を読み取っているものと思われます。ところが、フランス政府とルノーが日産と三菱自動車を本格的に統合させようとしたり、水道法の民営化の背景にもフランスのヴェオリア社の影がチラついているのが分かります。
さらに、武田薬品工業が製薬会社シャイアーを自身の売上高の4倍である460億ポンド(約6兆8000億円)で買収させられています。2006年に原発大手のウエスチングハウスを約6400億円で買収した東芝は、これが原因で債務超過にまで追い込まれました。日本企業はなぜ、無謀な海外買収を繰り返すのでしょうか?
欧州のグローバル企業による日本への急接近の目的として、グローバル体制の維持を狙ったものと考えられています。日本政府や安倍首相もすでにグローバル体制思考が染みついており、2020年の東京オリンピック開催や2025年の大阪万博開催を押し付けられたことによる公共事業費の増大が債務問題となりつつあります。
一方、イランに関しては、アメリカは「イラン核合意離脱」と「経済制裁」を継続しており、「イランの原油を購入しないように」との依頼が日本や西側関係国に伝達されているようです。つまり、アメリカと中国の間には貿易戦争などではないことが分かります。
トランプ政権にとって、貿易摩擦や利益追求などどうでもよいことであり、あくまで中国経済を崩壊させ、軍事増強への資金を遮断し、中国共産党を壊滅させることを目的としていると考えられます。
マスメディアの報道ではこのような見解を一切していませんが、貿易戦争という形をとった中国の軍事力低下を狙っているのは明らかです。要するに、トランプ大統領はイランを追い詰めた後、中国をターゲットとしているわけです。そこで今から中国の経済力を低下させておいて、軍事拡大に歯止めをかけているということです。
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