【解説】 ロシアは軍事的に何を誤ったのか ウクライナ侵攻
(出典:2022年3月23日 BBC)
2022年3月、私たち人類は核戦争の脅威と恐怖から逃れられなくなりつつあります。ウクライナ戦争は、ロシアにとって泥沼の戦争になってきました。
ロシアとウクライナは、3度の停戦協定も成立しない状態にあり、一向に和平交渉は進んでいないようです。ウクライナにとっても泥沼の戦争になった以上、プーチンはディープステート(DS)の策略にはまってしまったのかもしれません。
この1ヵ月を振り返ってみると、まずロシア軍は電子戦(サイバー)と情報戦(インテリジェンス)でウクライナの背後にいるDSに負けてしまっていたことが明らかになりました。おそらく、1万人以上のロシア兵が戦死していると思われます。
補給なく食料略奪、目的知らぬ兵士も…ロシア軍に弱点 想定外のウクライナの抵抗で泥沼化 ロシア側に譲歩の姿勢も?
(出典:2022年3月24日 東京新聞)
戦車など戦闘車両が多数破壊され、兵士や補給輸送車もウクライナ軍の殺人ドローンで狙い撃ちされました。その上、戦闘機や軍用ヘリも多数撃墜されており、若いロシア人兵士の間で士気が低下しているのは本当のようです。
当然、殺人ドローンや対戦車ミサイルから回避できた兵士たちもいますが、ウクライナ軍の捕虜にされています。スマホで泣き言を言わせることで、プロパガンダとして世界中の人々に伝えることができるわけです。
一方、ウクライナ兵士の犠牲者はロシア兵士よりも多く、アメリカやNATOから見捨てられたウクライナ人たちの故郷が戦争で破壊され、多くの避難民が国外に出てしまって家族が離散してしまっています。
思った通り、ゼレンスキーを筆頭にロシアと戦おうとするウクライナ人たちは、カネで雇われたプロパガンダ要員であり、テレビに顔を出さない多数派のウクライナ人の考えとは違うことが明らかになってきました。
米、ゼロ金利解除 0.25%利上げ22年は7回想定
(出典:2022年3月17日 日本経済新聞)
そのような状況の中、約3年ぶりにアメリカFRBが政策(短期)金利を0.25%を上げることを決定しました。アメリカのインフレ率は8%も上昇しており、物価高で人々の暮らしが厳しくなっています。ようやくゼロ金利政策をやめ、金融引き締めに移行しました。
これまで世界で最も安全とされてきた米国債の長期金利は、すでに2%を超えています。米国債の利回りがこのまま上昇し続けると、やがて金融危機が起きることになります。FRBは、それを防ぐためにようやく重い腰を上げました。
バイデン政権は、ロシア政府が保有していた米国債などの金融資産を「経済制裁」として凍結しています。アメリカ政府は、利上げをすると株式の暴落が起きることを知っているので、それを防ぐためにFOMCの発表の直前に大量のETF買いで株価を上昇させました。
日本政府も株価を下支えしたことで、ダウ平均株価は34,000ドル台を回復し、日経平均も28,000円台に戻しています。株式のライバルである金(ゴールド)価格は、ウクライナ戦争の戦況が激しいことで1オンス2000ドルを超え、日本でも1グラム8500円台の最高値を更新しました。
ウクライナ戦争でロシア軍が不利な戦況にあると報道されると、株価が上昇するという動きが見られます。しかし、このまま半永久的に上昇が続くわけではありません。これから何度も株価暴落と債券の暴落が起き、金価格の上昇が起こります。
ロシア “国債デフォルト”の見方強まる 外貨準備の凍結などで
(出典:2022年3月16日 NHK NEWS WEB)
欧米(西側諸国)は、ロシア政府への経済制裁として預金口座をSWIFTという国際電子決済制度から排除し、利用させないところまで追いつめています。決済ができなくなれば、資金を受け取ることができなくなります。
ところが、石油や天然ガス、そして穀物類を豊富に保有するロシアに経済制裁したことで、自分たちに返ってくることになります。今、世界経済は戦争経済(戦争体制の経済)に入りつつあり、あらゆる商品(コモディティ)の価格がコントロールされる時代になりました。
ロシアは、6300億ドル(約70兆円)もの外貨準備を保有していましたが、すでに3200億ドル(約35兆円)が凍結されて使えなくなっています。通常、債権の決済ができなくなればロシアはデフォルト(債務不履行)に陥りますが、何とか凌いでいます。
ロシアのルーブルは大暴落し、1ルーブルが1円まで下がってしまいました。昨年は10円前後であったことを考えると、90%以上も価値を減らしたことになります。ロシア国民は国内であれば問題なく暮らせますが、ルーブルを国外に持ち出すことができない状態にあります。
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