初めて銃を購入する人が増えている。警察を頼れないアメリカの実情
(出典:2020年7月27日 BUSINESS INSIDER)
今年に入って治安の悪化が懸念されるアメリカでは、銃の売れ行きが好調と報道されています。私自身、アメリカに住んでいた時はスタンダードな銃を所持していました。
FBIの発表によると、昨年と比較して今年の銃の売れ行きは60%以上も増加しているようです。そのうちの65万人が初めて銃を購入し、大都市圏を中心にした銃のトレーニングセンターは予約が取れない状況です。
また、こうした大都市圏の中心部の治安の悪化が引き金となり、富裕層が郊外や田舎に移住しています。ニューヨークやシカゴ、サンフランシスコ、シアトル、ポートランドなど抗議運動(民主党系)が激しい大都市圏では、都市の治安の悪化を恐れた富裕層が安全な場所に引っ越しを始めています。
引っ越し先は州によって異なり、貸しトラックで有名なU-Haulの予約が殺到しており、アメリカ全土で引っ越しブームが起きています。その結果、ニューヨークやサンフランシスコなどの大都市圏では、不動産価格が大幅に下落しています。
アメリカ大都市の家賃、大暴落。下落傾向に歯止めかからず。近郊にはアップしているエリアも
(出典:2020年9月7日 健美家)
一方、富裕層の引っ越し先になった地域の不動産価格が上昇するという逆転現象が見られるようになりつつあります。私が住んでいたサンフランシスコは、アメリカで最も家賃が高いと言われていましたが、これで住みやすくなるかもしれません。
いずれにしても、アメリカ各地の大都市が悪循環に陥っているのは明らかで、暴徒化したBLM運動運動とトランプ大統領の支持層であるQグループなど銃で武装した集団が衝突し、死者が出る状況にまで至っています。
他方、治安維持を行っている警察は抗議運動に賛同する市民から強く憎まれており、大都市では警察官を襲撃する事件が起きています。特に、民主党の知事や市長のいる地域では、BLM運動の要求を受け入れることで、警察の予算削減が実施されています。
NY市、警察の退職希望者が殺到。前年比400%増
(出典:2020年7月10日 mashupNY)
警察官(Police)や保安官(Sheriff)たちは、このような状況には憤りを感じるようになり、全米各地で辞職の連鎖が止らなくなっています。結局、警察官が少なくなったことで大都市圏を中心に街の治安が悪化し、殺人件数も増加するようになりました。こうした状況の中、市民が自分と家族の身を守るために武装し始め、銃の売れ行きが増加しているわけです。
さらに、富裕層の多くが治安が不安定になる都市中心部から、郊外の安全な地域にある別荘地を購入して生活していることは私の友人たちとの電話内容やチャットからも分かります。
さて、欧米諸国では新型コロナの感染拡大によるロックダウンから失業した人々がいます。世界中で失業問題の背景にあるのは、発展途上国や新興国で人口が増えすぎたことであり、地球の人口は適正な水準を越えても未だに増えてます。
他方、AI(人工知能)やロボットなどが開発され、労働現場に次々と導入されることでこれまで人間がやってきた多くの仕事が失われつつあります。人口増加は、失業問題を悪化させる背景として作用していることを認識する必要があるように思われます。
人口が増えすぎると、人間は他人に対して無関心となりやすい傾向があり、お互いを思いやるというような人間的な感情を失うことがあります。ストレスが溜まり、それが様々なな反社会的行動となって現れるというわけです。
英首相、冬の新型ウイルス対策を発表 「自制心と決意」求める
(出典:2020年9月23日 BBC)
欧米諸国では、新型コロナの感染拡大を抑止するため、様々な行動規制が敷かれていますが、強いストレスを感じている人々の多くは、政府や保健当局が発令した規制に全く従う様子がありません。
多くの人々は大勢で集まって大騒ぎをしたり、バーやレストランなどへマスクをせずに出かけています。また、大規模な抗議運動にも参加していることから、このような行動が原因で新型コロナの第二波はさらに拡大しつつあります。
そして、新型コロナの感染拡大を軽く考える根拠のない陰謀論が流布しており、人々は危険なウイルスに対して無防備なままです。まだ第二波のピークには達していないことから、これからさらに拡大していくものと考えられます。
感染拡大を阻止するためには、イギリスのように政府の行動規制に従わない人々に罰金を課したり、刑務所に収監できるような状態にしなければならなくなっています。
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